わたしは言います。わたしは、貴女から聞きたい言葉がたったの一つある。でもそれは絶対に叶わない。だから、貴女とはうまくやっていけないと思う。
母は言います。Noaがお母さんの事を好きじゃないのはわかってる。今までずっと駄目な人間で、お父さんも苦しめてしまって、Noaも苦しめた。お母さんと関わった人はみんな不幸になってしまう。いつも仏壇に向かって謝っている。Noaにも謝りたいと思ってる。でももうやり直したいけどやり直せない、ごめんね、と。
わたしは言います。さっき言った聞きたい言葉というのは、ごめんなさいの言葉です。貴女は絶対に謝らなかった。わたしは娘に対しても、怒りすぎたり、間違った事をしたら、謝るよ。それは娘も個人の人間だから。親は絶対の存在なんかではない。
悪かった事に対しては、ちゃんと謝ってほしかった。わたしは謝ってもらえたら許せる人。許せずに生きていくよりも、許して生きていきたい。だから謝ってほしかった。でも、貴女は話を聞く人じゃないから、わかり合う事を諦めていた。
母が、泣きながら、ごめんね、と。そして、この言葉を言えて、すごくすっきりした、と。
許してあげる。とわたしは言いました。
謝って許される事ばかりではないのですが、謝ってもらえたら少し楽になるだけです。そして、許して生きていかなければ、わたしが辛いのです。憎しみを持って生きる事は辛いのです。わたしが娘にとっての母親になれないのです。