ミカの視線は怖かったけど、2人きりで話すことになった。


放課後、リンは校庭で優がくるのを待っていた。



男の子「ごめん、遅くなった! 部活のミーティングがあったみたいで…」



女の子「ううん、まだ私も待ち始めたばっかりだったから! ってか、橋本君って野球好きなんだね」



男の子「うん、俺野球大好きでさ! 自分でもバカじゃないのかっていうぐらい野球すきなんだ!」



女の子「でもそれって、いいことだよね!」




リンと優は顔を見合わせて笑った。



やっぱり、こんな人がタラシとは…、とても思えない。



リンは胸がチクリと痛む。



女の子「あ、それで…。 話って何?」



男の子「そのことなんだけど。 今日初めて話していうのもアレなんだけど…」



優が一呼吸おく。



男の子「俺のウワサ知ってる…よな?」



女の子「エット…。 それが、朝ミカに聞いたばっかりで…。 でもなんか信じられないっていうか…」



男の子「俺の友達とか男子はもう理解してくれてるんだ。 でも女子にこういう話するのって…、恥ずかしいっていうか…。 水城には信じてもらえるかも」



女の子「え…?」



男の子「水城には、そういう風に思われたくなくて! って思って、ホントのこと話そうと思って呼び出したんだ」



え、なんかさらっとすごいことゆったよ!



告白っぽいことゆったよ!?



男の子「俺、不良の兄ちゃんがいるんだけど。 高1で、前までココの中学だったんだ」


女の子「えっ、そうだったの!?」


男の子「そう。 で、俺の兄ちゃんいっつも女と歩いてて。 俺も呼ばれていつも一緒に歩いてたんだけど…」


女の子「…? 断れなかったの? 一緒に歩くこと。 だって女の人と歩けば、誤解されるって気づいてたんでしょ?」


男の子「だけど、兄ちゃんには逆らえなかった。 それに兄ちゃん、毎日違う女と歩いてるし。 それに俺も巻き込まれた」


女の子「そーなんだ…」


男の子「ま、そういう話。 水城には誤解されたくないからなっ! 俺正直、兄ちゃんがココ卒業したときは、うれしくて仕方なかったよ」


女の子「そっかぁ…」


男の子「ゴメンな、かたい話で。 また話そう」


女の子「ううん、全然! …また話そうね」




やっぱり優はタラシじゃない。



みんなが思ってるような悪い人じゃない!



優のはにかむ横顔をジッと見て、リンは確信した。