雪道を家路に急ぐ。
お得意さんになったあるお店で、レア物を買った。そして、10年はもう手に入らないと言われた。
これは事故を起こしてはならない。
万が一事故等おこそうものなら、遺留品からレアアイテムを盗まれるかもしれない。ちなみに、ヤフオクなどでは定価の6~8倍で売られているものだ。何かは命が狙われるのを防ぐため伏せておく。
帰り道、いつも午後2時には閉店してしまうラーメン屋がある。朝6時からと早いからなのだが、それは市場の横にあるのれん街みたいな場所にあって、かつて市場で働く人々が愛した場所であった。今では口コミで爆発的に美味しいという噂が広がり、また、北海道の市場という観光的概念も後押しすることで並びが生じる程の人気店になった。
ラーメンあら○ん
この胡散臭いブログで実名を出すのはあまり利口ではないので(これから絶賛するので、悪い気はしないと思うが)、気になった人は調べてみてほしい。
あらだきとんこつ。。。その略が正式名称だと思う。自信はない。ので、一文字伏せる。
日曜日とか友達が来ると、昼時を避けるように行くのだが、うまい。
じっくり炊かれた魚介のアラ(市場で選んだものだろう)のスープは、魚介のうまみ甘みを存分に発揮し、とんこつを強火で炊いた白濁動物性スープと混ざり合うことで、複雑な旨みを奏でている。そこに細かい背油とねぎが入り、めんまとチャーシューが入る。湯気の向こうに見える桃源郷。
順調に、かつ迅速に家路を辿っていたはずだった。
しかし、目で追っていた。
その店を。
いつもはしんとした午後5時の市場。
すると、周りの店が閉まっているのに、一つだけ灯りがついている。
思い出す。先週、よるとんという、夜に特別開いている日があるというのを店頭のポスターで見た。これはチャンスだと思っていたが、それは土日だったはず。今日は火曜日。でも、灯りがついていた。市場を進む僕の車。
気付くと、次の道を左折していた。駐車場に向かっていたのだ。
本能の赴くまま、ふらふらと店の前まで行くと、中の様子を伺った。おや、店内が綺麗になっている。
先客がいるのを確認して飛び込んでいた。
つけ麺、あつ盛り(つけ麺は麺を冷やすのが普通らしいが、熱いままもできる。寒いときはこっちが好き)。食券を渡してから気付いた。あ、よるとんだけのメニューあるはずだったんだ!
いつも遅いのだ。携帯で確認したら、呉のつけ麺というものらしかった。食券販売機の近くに座っていたので、振り返って確認してみた。あった。しかも、他のは売り切れの赤ランプがついていたりするのに、それはしっかりと販売中だった。不覚。でもまあ本能で選んだので後悔はない。本能で限定メニューを選んでいたら、それは本能ではなく、作為だし。絶対に外れのないものを頼んでいるのだし。
あつ盛りゆえに、先にスープを仕上げた後、釜揚げうどんよろしく湯切り笊を力強く振り切った店員さんが素早く器によそってくれた。熱々である。ラーメンがぬるい店はマイナス評価せざるを得ない(食堂のラーメンだって熱いのがスタンダードだし。北海道は寒いし。)と思うが、こちらの店は、しっかり熱々だった。この時点でテンションは8割を超えている。
アドレッセンス丸出しで空想に耽る猿の如く、無我夢中で貪った。ラーメンよ、おおラーメンよ、ラーメンよ。しょっぱいというよりは、甘い。汁というより、スープという言葉が似合う代物。これにご飯いれたら最高だろうな、と思うような味。豆乳鍋を攻撃的にしたようなまろやかさと深みが次々と迫ってくる。うまい。麺を食べ終わると、少し放心した。人間は凄い。探求を続けると、説得力がでてくるんだなと思った。うまい。
そしてスープ割りをお願いする。鍋で沸点まで熱した割り用スープを注がれる。恐らくしょうがだと思うが、それを入れてくれる。うまい。さらにスープ感が増す。
このように一度で二度楽しめるわけだが、テーブルには特製辛粉なるものが置かれている。はて、なんじゃと。恐る恐る味見してみると、ストレートに辛さがくるものではない。確かに赤唐辛子が入ってるけれど、それだけじゃなく、何か魚粉的なものと混ざりあっている様子。すすきのにある赤星さん(500円なのにアサリスープでめちゃくちゃ旨い)のサバにんにく粉を思い出す。入れるたびに辛さと力強さが増す。これを入れることで、一度で三度楽しめるのだ。
土日にファミリーが訪れる姿を何度も見たけれど、この包括的で柔和なスープであれば子どもも喜んで食べるだろう。ほっこりできる味で美味しかった。
次は、次こそは呉のつけ麺を食べたい。今調べたら酸味や風味が納豆っぽいらしい。納豆カレーが好きだから、納豆ラーメンも好きだろう。そんな理論は通じるのか判らないが、次の機会を楽しみにしている。
そんな事を思いだしながら、家で例のブツを眺めているのだった。