「私を眠りから醒まさせたのはお前かっ!・・・お前かっ!!!」
びくっ!とした後、アラジン子は青い人型汎用なにかを見上げていた。でけぇ。こいつぁでけえ。見た目も、声も、態度もでけえ。
「そうよ、だったら何?別にあんたの為に目覚めさせたわけじゃないんだからねっ。」
あらん限りの声を張り上げると、アラジン子はそっぽを向く。かといって、このときアラジン子にこの大きな青い何かに対する恋心やその他諸々の事情などはない。ただいつもの如く、突発的脊髄行動が露呈したまでである。
「よろしい。私を目覚めさせた者には、三つ願いを叶えてやることにしている。さあ、願いはなんだ。言ってみ」
「巨乳!」
「・・・。えっ、あっ、きょ」
「二度も言わせんな馬鹿っ。」
「いや、かなり食い気味だったけど。巨万の富とか、巨大な権力とか、狂信的信者とか、驚愕の事実とかいろいろあるじゃない。だから聞き間違えちゃいけないなとおも」
「巨乳だっつってんだろ!」
「・・・。あ、ハイ・・・。」
青い化け物は驚いた。こいつぁやりづれぇなあ。何かとクレームつけてくるんだろうなあ。ブツブツ。
「ブツブツ言わない!さっさとやる!」
「ハイすんません。」
歴代の所有者にはナポレオン(不可能をなくしてほしい)や、暴君カエサル(戦に優れたい)、織田信長(天下統一してみたい)、最近では嵐の某メンバーがいたという噂さえあるこの魔法のランプ。それを一喝する事で統制するとは、このアラジン子とは何者なのか。プロフィール欄があるとするなら、全ての項目に非公開と書かれていてもおかしくはないだろう。
「それではおまじないに入る。読者の皆様もご唱和いただきたい。ご唱和されない場合は願いは叶わない。」
「ぶつくさ言ってないでさっさとおやりなさい。」
「すいません。では。」
『マサチューセッツ州の老若男女は摘出手術前にバナナババロアを食すのが瀟洒らしいよ。嘘だけど。』
ボワッ!
「キャア!」
アラジン子のバストは155センチになった。着ていた服のボタンは弾けとび、胸があらわになっている。
「これは154センチのギネス記録を1センチ超えた大きさだ。文句あるまい。」
「あんた馬鹿ぁ?誰がこんなモンスター乳にしろっていったのよ。生活に支障があるじゃないの。あたしこの重さじゃ立つのがやっとで、全然歩けないわよ。」
「グーグルによると9キロほどだそうです。」
「だそうです、じゃないわよ。あんた馬鹿ぁ?」
「おっぱい出てますよ。」
「イヤン。」
顔を真赤にさせたアラジン子は、そのずっしりとたわわに実った果実を持て余し、大地に這いつくばるしかなかった。
「今すぐ戻しなさい。」
「それが二つ目の願いだな?わかった」
「ちょ、ちが、ストップ!」
『東京特許許可局なんてないんだってね』
ボワッ!
アラジン子の胸はいつものそれに戻った。慣れ親しんだ手の感触が戻るにつれ、ふるふると込み上げる感情に歯止めが利かないことを悟る。
「それでは最後の願いはなん」
「おい、コラお前待たんかい。何してくれてんだ。お?人の身体さんざんいじくりまわしてからに。ああ?万力でじわじわ潰してくれてもいいんだぞ。コラ。コンクリート詰めて溶解炉にぶち込んでもかまわねえんだぞこっちは。あ?調子こいたまねしてくれやがって。どう落とし前つけんだよ。何が最後の願いだ。あ?」
「いやいや、暴力はちょっと。」
「ちょっとじゃねえんだよ。こっちは散々身体を弄ばれてんだよ。PTSDだよ。鬼PTSDだよ。わかってんのか?てめえ自分はこの地球上では引き手あまただからって落ち着き払ってるけどな、宇宙の塵にしてやってもいいんだよ。宇宙じゃお前はただの塵だ。例えお前の噂があったとしても、探索にでかけられるのはほんの一握りだけだし、宇宙ゴミは日増しに増えてんだよ。お前なんか見つかるわけないんだ。」
「いや、宇宙はちょっと規模でかくないっすか?」
「知り合いのツテでお前を宇宙に捨てることなんざ造作もないことなんだよ。こっちはガチなんだよ。あ?」
「宇宙だけは勘弁していただけないですか?」
「くくく。ざまあないな。何千年も何万年も前からお前は存在してきたのかもしれないが、とんと宇宙となるとまだ開拓され始めたのが100年にも満たない未知の世界だ。命が惜しくなくとも、未知は怖いのか。この腰抜けが。」
「ひぃいいいいい。」
「じゃあ最後の願いはこうだ。お前は私が死ぬまで私の下僕になれ。逃げ出そうとしたり、些細な怠惰を見せようものなら宇宙の塵となる。それでいい。」
「そ、そんなぁ。殺生な。」
「いいからやれってんだよ。でけえ図体の癖にこんなに小心者とはな。歴代の所有者が聞いたらなんと思うだろうなあ。」
「わかりました。」
『きゃりーぱみゅぱみゅって言いづらいよね!ね!』
ボワッ!
----------
mpupです。
夏バテとか現実世界の嘘や欺瞞で精神的に参っていました。半分ほんとで半分嘘ですけど。
歌うことが唯一の支えなので、あまりにカラオケに通いすぎて、カラオケ店行くと、マイクなしの方が声が響くほどになってしまいました。もう家の風呂で歌ったりできないレベルです。
過ぎたるは及ばざるが如し。悲しいね。
とりあえず、生きていこうと思います。
またね!