首 |  ヒマジンノ国

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2連チャンで邦画を映画館で鑑賞してきました。今回は北野武監督の新作、「首」です。公開前は、「ゴジラー1・0」より、こちらを観たいと思っていました。

 

しかし「ゴジラー1・0」の方が面白かったですかね。こちらはまあまあ、という感じです。

 

感想を書きますが、以下ネタバレあります。

 

北野作品は好きですが、映画館でどうしても観たいような作りでもないか、と長らく思っていたのですが、今回はスケールの大きい作品らしいので、映画館で鑑賞してきました。なんでも15億かかったとか。

 

本能寺の変を独自解釈して、話が作ってあります。北野作品らしいバイオレンス要素と、生々しい人間描写で見せます。戦国武将たちの男色の様子も描いて、時代劇としては新機軸なんでしょう。しかし今回は思ったよりもコメディー要素が多く、好みは分かれそうです。自分はコメディー要素はいらないかな、というふうに思った方です。

 

普段英雄のように描かれる戦国武将ですが、ここでは人間の本性に根差した、厭らしさを熱烈に表現しています。とにかく役者陣の演技が素晴らしく、そこはまさに見どころだと思いました。

 

「ゴジラー1.0」の役者たちはなんだか役を演じている、という感じに見えましたが、この「首」では、役者の地の部分と、彼らの演じる武将たちとの境目が見えないことが多く、良かったです。

 

明智光秀の西島秀俊なんかはもちろん上手いですが、荒木村重の遠藤憲一など本人の地のままという感じがして面白いです。その中でもやはり光っていたのが、織田信長役の加瀬亮です。

 

岐阜弁丸出しで、始終狂っている織田信長は強烈でした。彼が主人公でも良いかも、と思ったりしました。

 

 

実在の信長がここまでひどかったかは分かりませんが、彼の性格の一面は出ていますよね。

 

あとは中村獅童演じる、難波茂助という百姓ですかね。ラストで、明智光秀が逃走して、1人森の中、手負いのまま、木の根元に座しています。そこへ、自分の出世を求めて、友人の百姓を殺し、また他の仲間を捨ててまで、追いすがる難波茂吉。

 

明智の首を持ちかえれるチャンスです。

 

見ず知らずの茂吉の姿を見た明智は、覚悟を決めて「首をくれてやる」といいながら自分の刀で、自ら首を切っていきます。その明智の、武士の覚悟みたいなのを見て、一瞬たじろぐ茂吉。しかし出世欲に負けた彼は、叫び声をあげながら、明智の首を切り落とすために、襲い掛かっていきます。

 

このシーンが今回映画の中で1番良かったです。ここで、中村獅童はどこの百姓かもしれないような人物を、リアルに演じています。ただこの後、彼は直ぐに殺されてしまうんですね。正直、彼は殺す必要がなかったんじゃないかな?と思いました。その方がこの映画の狂気が、ちゃんと残ったのではないか?と思います。

 

茂吉は、北野監督の描く、戦国時代の人間性の原型みたいなキャラクターで、戦国武将たちも根は同じと思わせる役柄でした。

 

 

しかし、肝心の物語全体としては、ちょっとダルさがあるかもしれないですね。

 

やはりコメディー部分が邪魔かな、と思いますね。そのせいで間延びしていると思いましたけどね。

 

北野作品ということで、役者たちが見せる演技の本気度具合と、戦国武将たちがまるで近所にでもいるような、そこら辺のアンちゃんぽい感じが面白かったです。

 

自分の近場にも、こんな奴おるわ、と思わせます。