ジーン・ケリー |  ヒマジンノ国

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米国の映画俳優、ジーン・ケリー(1912-1996)の出演する作品を何本か観ました。

 

ジーン・ケリーは多才な俳優で、元来ダンスや振付が得意ですが、脚本や監督までできる、マルチなスターだったそうです。しかし、スクリーン内の映画俳優として、彼が目立つのは、やはりダンスシーンで、活気に溢れた場面を作り出します。

 

鑑賞したのは以下の5本。

 

錨をあげて(1945)

踊る大紐育(1949)

私を野球に連れて行って(1949)

巴里のアメリカ人(1951)

雨に唄えば(1952)

 

 

どれも面白かったのですが、世間的に有名で「名作」とされているのが、おそらく「巴里のアメリカ人」と「雨に唄えば」だと思います。

 

特に「巴里のアメリカ人」は音楽がジョージ・ガーシュイン、作詞がその兄のアイラ・ガーシュインということで、芸術的にも高いかもしれないですね。有名な「散歩の主題」に乗って、パリを意気揚々とジーン・ケリーが闊歩します。ガーシュインのピアノ協奏曲も作中に登場し、なかなか興味深いです。

 

また、この作品はラストに15分を超えるバレー・シーンがあり、そこが異色でもあるそうです。

 

 

しかし「巴里のアメリカ人」については、個人的に・・・ストーリーに馴染めなくて、世評ほど気に入りませんでした。2人の男性が思いを寄せるヒロインが、はっきりしない性格に描かれていて、現代だと通じない話じゃないの?などと思ってしまいました。パトロンを袖にする主人公もあまり好感を持てませんでした。

 

ただ映画を観た後は、ガーシュインのアルバムを聴きたくなりますね。映画を観た後だと交響詩「巴里のアメリカ人」の聴こえ方が変わった気がします。

 

「雨に唄えば」も確かに雨にずぶぬれになって唄う、ジーン・ケリーが印象に残っています。

 

「巴里のアメリカ人」以外で、有名作曲家の音楽が出てくるのが「踊る大紐育」で、音楽はバーンスタインの「オン・ザ・タウン」です。ただこちらはモノクロなので、少しがっかりしました。

 

なんだこうだで、自分には世評が高い作品よりも、映画としては「錨を上げて」と「私を野球に連れて行って」の方が面白かったですね(^^;。おそらく観た順番にもよると思うんですよね。

 

「錨を上げて」は初めてジーン・ケリーを観た映画です。同時に唄を歌うフランク・シナトラ(1915-1998)も初めて観た映画でした。初めて観た作品の方が、どうしても印象には残ってしまいました。

 

 

多少冗長ですけど、ジーン・ケリーもフランク・シナトラもとにかく楽しそうにしているのが、自分には好みです。「錨を上げて」、「私を野球に連れて行って」、「踊る大紐育」はこのジーン・ケリーとフランク・シナトラのコンビで撮影されています。

 

ジーン・ケリーが女性慣れした色男役で、フランク・シナトラが初心な女性慣れしない青年役というのが、お馴染みのパターンです。おまけに2人とも、ちょっとドジなんですね。

 

 

↑、名コンビでした。

 

 

最後はそれぞれお似合いの女性を見つけてハッピー・エンドです。

 

この辺の作品はハリウッドのミュージカル映画黄金期のものなんでしょうか。ダンスを踊るジーン・ケリーのエネルギーには圧倒されますね。ジーン・ケリーやフランク・シナトラの明朗で屈託のない笑顔などが印象に残っていて、楽しかったです(^^)/。

 

 

 
↑、ジョージ・ガーシュインの「巴里のアメリカ人」冒頭です。おのぼりさんのアメリカ人が、旅行で訪れたパリを意気揚々と闊歩する、「散歩の主題」で始まります。パリの喧騒が描かれ、自動車のクラクションがリズムにのって楽しげに鳴らされます。クラクションは本物の自動車のものが使われます。音楽からは当時の最先端の「ノリ」みたいのが感じられます。
 

自分は映画を観てからこの音楽の意味が分かるようになりました(映画と音楽の内容は、必ずしも一致はしていません)。ガーシュインは元々ブロードウェイのミュージカルで成功していただけあって、ジャズなどの当時のアメリカの娯楽音楽の雰囲気を持ち合わせたまま、クラシック音楽の影響を受けた、色彩的で楽しい音楽に仕上げていると思います。パリの雑踏を闊歩するアメリカ人、ということを意識して聴くと分かる音楽だと思います。映像が音楽になった感じですね。

 

演奏はアンドレ・プレヴィン、ピッツバーグ交響楽団(1986)。

 

 

↑、尊敬するラヴェル(中央)と共に写真に写っているガーシュイン(右端、左端はマーラーの友人だったオスカー・フリード)。ガーシュインによる「巴里のアメリカ人」は作曲家本人がパリを訪れた印象を音化したものです。1928年に発表されました。