ステレオのレコード |  ヒマジンノ国

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ちょっとずつアナログ・レコードを増やしてきました。ほとんどがクラシックのレコードです。奥が深い趣味というのは世の中沢山あると思いますが、レコードでクラシック音楽を集めるのは、その奥が深い趣味の1つなのだと思います。

 

CDを集めていた時、大体聴きたいのもはのは聴いた、とそう考えてました。ところがどっこい、物事はそう単純ではなく、レコードを聴くようになって、よくCDを紹介する本で知れる音源は、全く狭い世界のことだと思うようになりました。

 

レコードを探しに行くと、聞いたことも無いような演奏家の名前が、沢山並んでいます。アナログ・レコードとCDとでは作られた時代が異なるため、アーティストの種類もずれるのです。当然時代を超えて有名な演奏家もいます。彼らは素晴らしいですが、他方でそこには「何者かの意見」というものが反映されていて、彼らをもちあげる者によって、勝手に神格化されていることもあります(当然その数が多ければ多いほど、メディアには紹介されやすいでしょう)。

 

しかし、ほとんど名前を知らないような演奏家の演奏を聴いても、感動することも実際には多々あり、本当に不思議です。

 

有名な演奏家にしても、必ずしも「名盤」とCDではいわれてこなかったものを、レコードで聴いても、これも良いものがあります。

 

そう考えると「情報」とは恐ろしいもので、誰かが「こうしたい」あるいは「こう聴かせたい」と思っている演奏家のものがカタログには並び、そうでないものはどんどん無視されていっているわけです。それは、仕方がないといえばその通りですが・・・。

 

そしてCDで聴いてきたときには知らなかった演奏家の音源のレコードが、高値で取引されているのを知るとき、その価値を確かめたいと思うのは、人情というものでしょう。

 

最近は余裕があれば初期ステレオのレコードを買う時もあります。クラシックのレコードで1番人気があって、値段も高くなる部類です。確かに聴くと、音の鮮度が素晴らしくて、良い気持ちにさせてくれます。

 

それで気づいたのが、この初期のステレオのレコードが割とノイズが多いという事実です。理由は良く分からないですが、モノラル録音よりノイズが多いことが目立つような気がしてます。そこそこお金も出したし、いい音で聴きたいし、ということでこの頃はレコードを洗ってばかりいます。気になるものは3、4回は洗っていますかね。もうちょい綺麗にならないかな、ということです。音を聴くにも手間がかかります。

 

 

ASD264。

 

 

その中の1枚がメニューインの演奏する、ブラームスのヴァイオリン協奏曲(1957)です。伴奏はルドルフ・ケンペとベルリン・フィルで、豪華な組み合わせですね。メニューインもケンペも非常に真摯な語り口で、大げさなところがありません。2人ともアクが強くなく、特有の繊細さがあるというか、響きが比較的透明で新鮮です。

 

ケンペよりもメニューインを聴く録音で、しみじみとして、透明感のあるメニューインの地味深い音色が楽しめます。それほど有名な演奏ではないんでしょうが、中々の好演です。メニューインのステレオ初期盤は数が多いらしく、割と出回っているようです。

 

自分が手に入れたものはノイズが多くて困りました。本当にずいぶん洗いました。そこそこ良くなってきたんですがもう少し良くなりそうです。

 

初期ステレオで有名なのはデッカのSXLシリーズ、HMVのASDシリーズ、そしてコロンビアのSAXシリーズですどれもレコードの本場イギリスを思わせる素晴らしい音がします。

 

デッカは鮮明で鮮烈な音がし、野性味も感じられます。それに比べるとHMVは鮮明で緻密、気品のある音です。この両者はとにかく音が前面に出てきて、聴き手に迫ってきます。

 

これに比べると、初期ステレオでも1番人気のあるコロンビアのレコードは緻密で品があり、音が若干奥ゆかしくなっています。そのせいで聴き手に「迫る」というよりは、聴き手の気持ちを高めてくれるような、独特の響きがあります。確かに聴いている時の幸福感は、これが1番でしょうかね。

 

 

カルロ・マリア・ジュリーニによるファリャの「三角帽子」とラヴェル、「ダフニとクロエ、第2組曲」(1957)。SAX2341。

 

 

これはノイズが少なくて助かりました。ジュリーニのファリャやラヴェルは初めて聴きます。三角帽子もダフニスもオーケストラの色彩感が発揮される曲で、素晴らしい充実感を味わえる一枚です。

 

聴いていてこれがあのジュリーニかなと思えるほどの、潤いと色彩感を発揮しています。特にラヴェル。各声部の緻密な音色が繊細に浮かび上がり、みずみずしい音色の洪水となります。

 

聖なる水を全身で浴びるような喜びがあります。不思議ですこの曲はデュトワ当たりのCDで聴いたことがあるんですがこちらのほうが美しいです。多分これはレコードの音色のせいなんでしょうが、ちょっと比類がないですね。

 

最近は古い映画を観ることが多いんですが、その後に古いレコードをかけると同じ時代の空気感を漂わせていることが分かります本当に古い時代に戻ったかのような。これがCDになると消えてしまうんですね逆に古さが目立つ感じになってしまいます。

 

当時の雰囲気そのままに、みずみずしい音色を味わうのはレコードでしかできないと思います。