見つけた!!(*‘∀‘)。
欲しいと思っていた国内版アルフレッド・コルトーのアルバム。吉祥寺で発見しました。中身はシューマンとドビュッシー、フランクとバッハ、パーセル、ブラームスなども。赤盤LP5枚組。
国内版LPの音質は若干落ちるかもしれませんが、オペラなら立派なリブレット翻訳が付いており、名演奏家のボックスなら専門家による詳しい解説がつきます。これぐらいしっかりしたものは最近のCDのライナーでは見かけなくなりました。とても助かります。
コルトーの元で学んだピアニストの遠山恵子さんと、その夫の遠山一行氏(故人、2014年没、音楽評論家)による書き物が載っています。遠山一行氏は1951年から1957年までパリ留学していたとのこと。彼はコルトーに詳しい人だったようです。
遠山一行氏は他の書物で次のように語っています。
<理屈からいえば、敵国へ行ったということです。だから、いろいろ不便でした。57年までいたんですけど、1年間、日本に帰ってきたものですから、正味5年ですね。・・・(中略)・・・
私は戦前を知らないから本当には分かりませんが、少なくとも音楽的に言えば、昔のヨーロッパが残っていた最後の時期といっていいでしょう。>
彼はここで生のコルトーや、フルトヴェングラー、ワルターの演奏を聴いたそうです。いいですね(゚Д゚)ノ。
彼のコルトー評はまさに核心をついていると思いますが、書くと長くなるのでやめます(;^ω^)。
アルフレッド・コルトーといえば1877年生まれの、20世紀最大のピアニストの1人です。今となっては技術的に劣るとはいえ、このような演奏の解釈は生で聴くことは不可能です。レコードで聴くしかありません!
コルトーといえばまずショパン。これは間違いないです。しかしそんなショパンを聴きつつも、自分が長らくコルトーを完全に魅力的だと感じられなかった理由は、彼の演奏をCDの録音で聴いてきたからでしょう。CDで聴く限り、コルトーの演奏が「箱庭的」に聴こえて仕方なかったのです。彼は曲の細部までうがった表現をするのですが、スケールが小さくて細部を聴き取るのが辛く、悪くいえば小手先の表現に聴こえて仕方なかったのです。
ところがLPになって、音の像が大きくなると、細部の表現なども良く聴きとれるようになり、意味が分かるようになりました。同時にコルトー特有の、色彩的な音色も聴きとれるようになりました。
今の時代からいえば古い表現には違いありませんが、曲の解釈を自己の内面のファンタジーから紡ぎ出して、その想いをこうも的確に伝えうるピアニストはめったにいません(パハマン?とか)。現代は技術的な制約が入るでしょうから、ここまで自由に自己の内面を表現するのは無理だと思います(技術より時には内容を優先させ得ること)。
このボックスに含まれているのは、シューマンとドビュッシーがメインです。遠山一行氏も指摘していますが、コルトーの音色はドビュッシーが合うのですね。コルトーの音色はまさに雫が滴るような音色で、輝かしさがあります。そこに「ロマン派の時代そのもの」を感じさせる雰囲気と解釈が加味されます。
といいたいところですが・・・しかし、遠山一行氏は次のように語っています(このLPボックスのライナーからの引用ではありません)。
<私の聴いたコルトーは、ほとんど晩年ですよね。若い世代のピアニストとはちがうけれども、あれをロマンティシズムの残滓というのはまちがっていると思います。やっぱりあれは20世紀の新しい演奏でしょう。・・・(中略)・・・
マチスだって、人間の体をかくときは非常にデフォルメするわけでしょう。コルトーの演奏もそういうものです。19世紀の主観的な自由とも違って、もっと知的な批評を潜った表現です。レコードで聴いてみると、若いころの演奏は必ずしもそうでもないのかもしれないけど、僕が聴いたころは、そういう非常に批評的な芸術だと思いました。・・・(中略)・・・
詩人のオスカー・ワイルドも、批評論のなかで、批評の一番すぐれた形態は音楽の演奏だって言っている。これは素晴らしい言葉です。>
うーん、深いね(;^ω^)。
しかし今に生きる自分からすると、このコルトーのファンタジーにロマンを感じないというのは無理というものです。そこにはコルトーの高い教養からくる客観性が、曲の解釈に普遍性を持たせている、というべきでしょうか(;^ω^)。
ドビュッシーに比べると、シューマンは音が輝きすぎるかもしれません。しかしそこには物語を伴った解釈があり、サロン的なアットホームな雰囲気を湛えて魅力的です。フランクについては、最近は演奏する人も少ないですが、コルトーはいうまでもなく最高です。感情の表現に嘘がありません。
LPを聴いていると、何より弾いているコルトーが楽しんでいる雰囲気がひしひしと伝わってきます。最近の演奏家からは聴こえないものです。技術的なことのせいでしょうか、緊張している人が多いのかしらん。昔はそんなにうるさくなかったのでしょう。
ドビュッシー・前奏曲集1集、子供の領分、シューマン・ピアノ協奏曲、謝肉祭、ダヴィッド同盟舞曲集、子供の情景、フランク・前奏曲、コラールとフーガなどが含まれています。録音は20世紀の前半から中葉にかけてのものばかりです。
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<悩み>
今日、アニメスタジオで放火があり、死傷者が30人を超えるそうです。自分の好きなクラシックの話題などを書くのですが、最近の世の中の様子を見ていると、そんなことばかり書いていて良いのか、疑問に感じるようになっています。あまりお気楽に生きていて良いのか、個人的に心配になってきています。
今日もイーロン・マスクが脳内インプラントの臨床試験を発表、また、ピーター・ティールがグーグルが中国と共謀してアメリカを裏切ろうとしていると発言し、それをトランプが支持しています。やはりトランプ大統領も何者かの傀儡(黒幕が何者かは分かりません)でしょうから(ブレーンがいなければトランプもあそこまで色々と自信をもって発言できないと思います)、その裏側が非常に怪しいと思えるようになりました。
そしてドイツ銀行もいよいよではないかということで、世の中がどの方向へ変わるか、その下地となるべきものが、我々のあずかり知らぬところで、ちゃくちゃくと進んでいるように思えて仕方ありません。
彼らの提示する新しい世界観が、危険なものになる可能性があります。
ブログは好きに書きたいと思っていますが、他に気になることが多く、「そちらがわ」の話題ももう少し増やすべきではないかと考えている、今日この頃です。

