クラシックCDについては皆がオタクになります。クラシック音楽が好きであればあるほど・・・。
最近の音楽も楽しいですが、どこか制約の多い印象があります。実際、現代社会で歌を歌って自活する気があるのなら、お金儲けを度外視して活動はできません。そうすると必然的に楽曲にもそうした部分が反映されることが多い様に思います。
クラシック音楽にも時代ごとの制約があるのは確かですが、今より時間がゆっくり流れていた時代の作品ばかりですから、制約も少なく、もっと純度が高いように思います。
特に仕事から疲れて帰って来た時、クラシック音楽をかけると、そのゆったりとした時間の流れと空気感にほっとします。正直、音楽を聴いている間、直接時代の差を感じることも少なくないです。
だから・・・といったら何ですが・・・去年、クラシックCDをボックス化するのが流行りの昨今、僕はCDを大量に買い込んでしまいました。僕はスローライフに憧れています。
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とはいうものの・・・去年大量に買ったクラシックCDの消化が遅れているようです。スローライフのためというのなら、何のためにこんなにCDを買ったのか本末転倒になりそうです。
だから今年に入ってから(今のところは)クラシックの音源は一切買ってないです。
「音楽を聴くなんて楽勝だよ」、とか余裕こいてたんですが、そんなことはなく、このごろはCDを消化するのが大変なのを実感する始末・・・。物事を甘くみていたようです。
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とりあえず、上の写真はグレン・グールドのバッハ全集です(CD38枚、DVD6枚組)。豪華な作りで、紙ジャケットですが、オリジナルのままの写真を使い、CDを収納するボックスは立派です。コロンビアの力の入った商品です。最近再販もされました。人気のある商品なんでしょう。
現在8枚ぐらいしか聴いてないです。ただ聴きやすいので、その気になればもっとすらすら進むだろうと・・・勝手に思ってますが、怪しいもんです。カナダの天才ピアニスト、グールドの演奏するバッハは、バッハ演奏に良くある厳しい峻厳なものではなく、自由なファンタジーに溢れたもので、一見とっつきにくいこのバロック音楽の大家の音楽を親しみやすいものにしていると思います。
バッハが苦手の人にはいいんじゃないかと思います。
ヘルムート・ヴァルヒャの演奏による「バッハのオルガン曲集」。アルヒーフ。
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ドイツの盲目の演奏家、ヘルムート・ヴァルヒャ(1907-1991)によるバッハのオルガン演奏集(12枚組)。何でも全集に近い内容らしいですが、個人的には勉強不足で何の曲が足りないかは分からないです。
ヴァルヒャ自身2度目の録音になります。
こちらのバッハはグレン・グールドの演奏とは違い、いわゆる「バッハ的」なバッハで、峻厳な演奏となっています。美しさが目立ち、居心地も悪くなく、厳しさと美の融合があります。
で・・・こちらは既に全部聴きました・・・。
しかし・・・偉そうに全部聴いたといっても曲ごとの区別がつかないので、もっと理解したいのなら、繰り返し聴くしかないようです。
CDをかけると、部屋全体を包むふくよかなオルガンの音色が広がります。その音楽は幾何学的なまでのバランスを保ち、広がりは壮大な音の宇宙を思わせます。豊かなハーモニーは星々の瞬きでしょうか。名演だと思います。
マウリッツォ・ポリーニによる「ベートーヴェン・ピアノソナタ全集」。グラモフォン。
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大家の風格漂う現代最高のピアニストの1人、マウリッツォ・ポリーニによるベートーヴェンのピアノソナタの全集です(8枚組)。1975年から2014年までかけて録音されたということで、39年間のインターバルがあります。
特に27番を除く26番以降のソナタは20世紀中の録音で、ポリーニ自身の円熟期とは違う録音であるのが印象的です。初期のソナタから順番に聴き続けてくると丸みのある演奏なのが、後半のソナタにいたって若々しさと鋭さを持ってくるのが面白い所でしょうか。
上品で、うるさくなく、聴きやすいのが素晴らしく万人向けの演奏かと思います。ただラストの3大ソナタはできれば円熟した演奏で聴いてみたいとは思いました。
ヘルベルト・フォン・カラヤンによる「ベートーヴェン交響曲全集」。グラモフォン。
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カラヤン・シンフォニー・エディション(38枚組)からの全集。ここに含まれるベートーヴェンの交響曲全集は3度目の全集になるんでしょうか。1975年から1977年にかけての録音です。
僕は彼のベートーヴェン全集は、この全集を含め、2種類しか聴いてません。聴いたもののもう1つは1980年代に録音されたものです。確かカラヤンはベートーヴェンの交響曲全集を、4度作っていたと記憶しています。
1980年代に録音された全集はカラヤンがオーケストラ任せにしている場面も多くありましたし、解釈も晩年のカラヤンらしいものでした。それは一通り自分のやりたいことをした人が行きついた境地といいますか・・・。そこにあるのは自分の好みに演奏するカラヤンの姿です。
ただ作曲家本位で考えると、首をかしげたくなる場面もありますが、おそらく彼はそれをもう「過去にやってしまった」と考えていたのでしょう。作曲家より指揮者本位で聴く演奏だと思いました。
それに比べるとこちらはもっとスタンダードで、一般的な解釈のように思います。何より爽やかでスマート、場面によってはみずみずしい感性さえ発揮します。近代的なベートーヴェン解釈の手本みたいな演奏といっていいのかもしれません。
だから玄人向きではないんでしょうが、カラヤン特有の音色の美しさや若々しさに溢れ、聴くに心地良い演奏なのは確かです。晩年の権威的ナルシズムの要素も少なく、美しいです。
余談ですが日本ではカラヤンを神のように崇める人が多いので、こちらの演奏は好まれるのものでしょう。当然彼は世界中で人気がありますが、特に日本では格別崇拝されている事実があります。
他には1980年の全集に含まれているミサ・ソレムニスもトスカニーニの流れをくむ名演でしょう。EMIに録音したものも良いと思います。個人的にはシンフォニーより、声楽やオペラの演奏が優れているのがカラヤンだとは思っています。




