<自民党の案というもの>
自衛隊を国防軍にするという自民党の案があります。
もとより、自衛隊は諸外国からみれば当然、実際に殺傷能力のある兵器を運用しているわけですから、「軍隊」という認識なのは当然といってもいいかもしれません。
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ただ、僕は自衛隊を国防軍という名称に変更するのは反対したいと思っています。自衛隊は「自衛隊」という名のままで良いのではないかと思っています。
現状の自衛隊は武器の行使などに色んな制限があり、本当の有事が起きた時に今のままの自衛隊がちゃんと機能するかは疑問符がつきます。今回の名前の変更案は今まで以上に実際の有事が起きたときの事を見越した変更案であり、名前の変更もそのうちの一つといえるでしょう。
しかしながら、こうした武器の行使をする場面が今回の変更で大幅に増える可能性があることは、野党などから既に指摘されている通り、色んな問題があると思います。確かに今までは武器を行使するための制限が多すぎたとはいえ、新たにルールを変更して、PKOなどの諸事情に関してまでそうした武器の行使をみとめるのは、とても危険ではないかということです。
日米同盟が我々日本にとっての軍事的最重要事項なのは分かります。我々が他国に侵略された場合、自衛隊とともに戦うのはアメリカの兵士達です。それ故、現在の安倍総理は普段から、有事の際には米軍と共に共同で行動しようといっています。他国の兵士が我が国日本のために死ぬのである、という事実を受け入れるのであれば、その逆もありだというのです。
それは一見全うな意見にも聞こえるかもしれません。
しかしアメリカは中東にも軍隊を派遣しており、PKO活動なども行っていますから、そういう理屈だと当然日本人もPKOなどに派遣されれば、アメリカ兵などと共に銃などを扱って、テロリスト達と戦うことが義務付けられることになっていきます。
アルジェリアで邦人がテロリストの標的になったことが話題になりました。亡くなった方々は無念というほかない厳しい事件でした。こうした時、自衛隊がそばにいて実際に発砲できたのなら、アルジェリア軍にだけ頼らずとも自国民を守れたかもしれませんし、そう考えた人も多かったのかもしれません。
しかし他方で以前は狙われなかった日本人がテロリストに狙われるようになったのは、日本政府がアメリカのイラク戦争に力を貸すようになってからだともいわれています。本来、欧米を嫌うアラブの過激派も日本人はアジアで唯一欧米に勝利を収めた民族としてそれなりの尊敬を持っていたそうですが、イラク戦争を機に、今では日本も欧米のいいなりだと考えている人も増えたということです。
しかし他方、自衛隊がサマーワで武器の行使なしでPKO活動をしたことは現地の人々に高く評価されていると聞きます。自衛隊の人々は現地の人々と分け隔てなく接し、共同で作業をしたことが評価されているのです。当然、テロリスト等のアラブ人でさえ一人も殺していません。結局他国の現地で軍事行動を起こすことの危うさを考えると、安倍首相のいうことはどの程度までの考えを持って発言しているのかは疑問が残ります。
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極東の軍事情勢が緊迫する中、アメリカとの軍事同盟は必要だと僕も考えています。そのために自衛隊に必要な変更はすべきです。軍事同盟がなければ大国にかこまれている日本を守るには、最悪、核兵器が必要だと人々が考えるようになる可能性もなくはないかと思います。
ただここで難しいのが、同盟を結ぶアメリカ自身が世界中に不和を撒き散らしているという事実が厳然と存在するということです。アメリカは9.11テロがあったとはいえ、問答無用でイラクを攻撃しました。しかし戦争の道義であった、イラクの大量破壊兵器は一体、どこにあったのでしょうか。イラクには大量破壊兵器などありませんでした。アメリカには戦争をすると儲かる人々がいて、そうした人々は人が死んだとしても自分たちさえ良ければ良い、とか考えていないのです。
このまるで映画に出てくる、悪役じみた人間が、アメリカには存在している、ということを私たちはしっかりと今一度、認識すべきかと思います。
そして、この恐ろしくも禍々しい事実が日本の政治に影響を及ぼし、わが国の政治を難しくしている原因の一つともいえるでしょう。
