先週、隼人のオグリを観ましたので、今週は猿之助です。

 

さすがの登場ですわー。ででん猿之助どーん。かっこよーー。

薔薇を背中に刺してるのはかわいいな。

リアル薔薇背負うイケメン隼人とは違うよねーふふーんって見てたんですけども、

早口でタタタっとすすみ、相手のセリフを待てないほどの前のめりなセリフ…、

長袴で暴れ馬に挑むのか?!(結局は外しましたけど)、

婚礼の場の衣装!及び体形!!あの胸元のずんぐとした感じ!!!

のぉぉぉぉー猿之助がスーパー歌舞伎の猿之助で刺しに来た…ひゃぁーーもーー往時の猿翁じゃん。

 

2幕の本水も見事な主役っぷり。おいしいところは俺のもの。ハードだけどハードに見せない。

見せるべきところを魅せて魅せる見せ方。黒姫嘉島さんとの息の合い方。

関平の本水を思い出すに、このひとの努力はすごいもんだなとおもう。

 

そしてセリフが重い。むちゃくちゃに迫ってくる。特に3幕。

水を求めてしまったのか…というとこだけで重い深いすげーなこのぉー。

演劇としてうますぎる。

薔薇の花びらを投げる格好よさったら、

歌舞伎としてきまりすぎてる。

 

湯壺の岩の上のお芝居も、さすがですねー。

(隼人もめちゃくちゃよく頑張ったし、あそこ拍手してあげようよっておもう)

猿之助の力を見せつけてきますナ。

奇跡はいらないの。ひとつずつ試練を乗り越えると歓喜が訪れるの。

 

隼人オグリだとおおらかさゆえにいろんなものが受け入れやすくて、

猿之助オグリで、あ、浅野さん面白七変化じゃなくって、閻魔大王七変化だったんだ。ちゃんと意味があったんだw

わたしが2回目だからというのは抜きにしても、

あ!そういう意味だったんだっていろいろおもいましたわ。

観てるときは覚えてたのにー状態なのでもっかい下界でオレは観る。

猿之助さんのセリフはグサグサ突き刺さる。

 

 

猿之助と隼人と両方観て、どっちのよさもあって、歓喜のアプローチがまったく別物におもえる。

「僕、イケメンなんで(嫌味ゼロ)、なんだかみんなが助けてくださいました~ラッキ~イケメン~歓喜~ありがと~ヽ(' ∇' )ノ」

「信じる者は己のみ。だったが、皆が助け協力してくれたことに心から感謝する。共に歓喜しよう(ストイック)」

イメージそのくらいのね、外からの投げかけによって内から漲った力か、

内からの湧き上がる力に外の力が加わったのか、違いを感じましたわ。

 

初見が隼人だったからそうなのかもだけど、隼人のオグリは、余白に猿翁を感じたんだな。

猿翁のキャラクターを演じている。個性が違うから似ているわけではない。
それは彼がまだまだ熟達してないからこそなんだが、好き♡ってなったよ、余白と男っぽさとすごいイケメンっぷり。
雰囲気がおおらかだし、セリフが単純素直、ボンボンのほっとけない感じとか、それが彼の良さだよなー。

猿之助のオグリはもう大旦那そっくりじゃんかぁぁぁぁーって見たままそっくり。
もちろん真似事じゃないそっくり萌え。

計算高くて、目的完遂能力むちゃくちゃ高いので、

遊行上人(美坊主。かもーん清玄)の導きがいるけどいらない。閻魔様の見守りもいらないw

 

こういうの見るとね、どう生きるかっていうのをすごく考えますな。

 

 

欲を言えばね、閑吟集の、一期は夢よただ狂えってセリフに、

なんかもうちょっとこう、くぅぅぅーーーってなりたい。

前半のそっから、後半のびしばしたたみかける梅原哲学に、しびれたいのね。
スーパー歌舞伎は、スペクタクル娯楽なのに梅原猛に殴られてたんだな。ほんとすげー。
知性に殴られるって、なんて贅沢で骨太な思考の訓練。

猿翁には梅原猛がいたんだなー。すごいふたりだったんだな。


先週に続き、スーパーリストバンドの扱いが…芝居をぶった切ってまでというか。
あとね、こんな笑いがいるのかなーむずかしいバランスだなーと

猿之助をもってしてもどことない新感線っぽさをかんじてしまうとか、

もしかしたら舞台セットに関しては最早こちらのほうがペラペラなのでは…とか(衣装はすごいよ)。

前回1階、今回3階(とはいえ正面)にしたら、見えづらいのは承知の上でも、

3階席ってこんなしょっぱかったっけって言うくらいスッカスカの舞台装置に少しも視覚効果のない映像で、

いつの間にか中身のグラム数が減ってるお菓子みたいな感じした。

これは3階で見ても演出が迫らないし良さが見つけられないなぁたぶん。

ちゃんと木戸銭出さないとこういう目に遭うのね…😅新作は要注意だな。


歓喜とはなにか、熱狂とは何かとか考えますな。

これ、フラットな状態で見る若い人ってどんな感想を持つのかしらね。

なんか説教臭いとか思うのかしらー?あたしには萌え要素多いが。

 

舞台写真の販売が始まっていて、さぶちゃんの閻魔妻輝いてました。

ほしくなりました。洋装もあんなにきまるなんてー。

 

 

どっちもみたよーとか、どっちが好き―とか、なぜ面白いのか否か他、ご感想お待ちしてます。

楽しかったんだ。だけど長いエンドロールにいるのかもしれないなとも思ったんだ。

マシュマロ→

 



後日…猿之助のオグリのキリだけもっかい観て、
あ…これかつての強い男が病に罹り、気づかぬうちに妻に引かれ、
自分だけ気付いて、言い出せない。
最高に不甲斐ない苦しみと最高にロマンチックで幸せなアンビバレントぉぉーー
に泣くやつだったんだ…って涙涙になりました。
これを地でいく男の中の男はどこにいるんじゃい…。
16歳年上の女を好きで好きで60を超えて結婚するとか、
休みが1日でもあれば好きな女をどこまででも追っかけるとか、
そういうのねーうーんもう今時聞かないわね。
舞台の上の男の色気とか主導権とか説得力とかそういうのって、
かような人生経験から生まれるんではなかろうかと思うワ。

猿之助さんがどんどん歌舞伎化してて、
主題が見えやすくというか、主張がはっきりしたんで、
ちゃらちゃらした演出がミスマッチを起こしてますな。
演出の力量が出てしまってます。役者の底力のが凄かったやつ。

なのでさらにスーパーリストバンドの流れが残念です。
あれなーオグリと照手でスモークもくもくデュエットダンスいるよ。
ハッピー版二人椀久みたいなやつ。
掟破りのデュエットダンスしてるうちに観客がソワソワしてライトつけだすでいいじゃんもぅ。