この話に関しては、アタシのルーツから話さねばならない。
小学生の頃、アタシは世界で一番可愛い生き物はパンダだと信じていた。
当時、大中で見かけたパンダの耳当て。
お洒落に言うとイヤーマフ。
一目ぼれだった。
オカンに「あれが欲しい!」と訴えるも、通学時に耳当てをしていると自動車の音とか聞こえなくて危ないということで却下。
おこづかいで買える金額ではなく、泣く泣く諦める。
中学生・高校とアタシは早く大人になることばかりを考えており、可愛いものには一切興味を示さなかった。
やがて大学生になり、久々に訪れた大中でまたしても同じ商品の前で引っかかる。
パンダのイヤーマフ!!!!
いや、だがしかし既に齢20歳を超え。
それは無いだろ。マズイだろ。小学生がするようなもんだよね?
自制心の勝利。
そして社会人。
ヴィレッジ・ヴァンガードでまたしてもパンダのイヤーマフに遭遇。
いやいや、学生とかギャルならまだしも、会社員がパンダってアンタ。
ありえないでしょ。
何処につけていくんだよ。
社会通念の勝利。
とうとう、三十路。
フラリと立ち寄ったヴィレッジ・ヴァンガードにて、パンダと目があった。
・・・
・・・・・・
なんか、もういんじゃね?
そんな我慢しなくても。
どう頑張ったって若返る訳じゃないしさ。
多少奇怪でも、やりたいことやったら?
何やったって、アタシはアタシじゃん。
連れて帰っちゃえよ、そのパンダ。
気付くとアタシは、冬の寒空の下。
耳元にはパンダの生首がくっついていたのであった。
そんな三十路OL。
耳は暖かいけど、周囲から見たら壮絶に寒いぜ!!
でも、もう気にならなくなっちゃったぜ!!
終わったな!!!!!
