私の母は、
私が病院で告知をされている間、
家で子供達をみていてくれた。
私が乳癌であることを電話で聞いて、
どんなに悲しかったことだろう。
自分と同じ思いを
これから娘がするなんて。
きっと、
一番に私を抱きしめたかっただろうに、
母は言った。
「たかとしさん(主人)のところに
行きなさい。
子供たちのことは、ちゃんとみてるから。
」
私は母になっても、
永遠に、母には敵わない。
落ち込んだとき、
いつも強くて優しかった祖母や
強くて明るい母の血が
私の中には流れている
と思うと、底知れぬものに守られている
感覚に包まれるのだ。