アトピーと梅姫石けん、そしてキッチンファーマシーへ 


「手のひらには、人を癒す力がある」


曾祖父・江口鎮白と江口俊博が、

そう信じて全国に広めた手のひら療治。


その血を受け継いで生まれた私が、

実はずっと、自分の身体と闘い続けていました。


私自身が、証人です。


    

​ 小学生の頃の私の肌は、血だらけだった



昭和40年代後半。


まだ「アトピー」という言葉もなかった時代。


私のあちらこちらの肌は黒ずんで血だらけで、

カサカサに乾いて粉を吹いていました。


人に見られるのが恥ずかしくて、

包帯を巻いて学校に通っていました。


ユキノシタ、ヨモギ、ハトムギ、カミツレ草——

ありとあらゆるものを試しました。


でも結局は「魔法の白いクリーム」と呼んでいた

ステロイド剤を塗り続ける日々。


何本買いに行ったかわかりません。


    

命の瀬戸際を何度も越えた。


0歳の時の体内記憶が、今も残っています。


暗いトンネルから抜け出すのが嫌で、

この世に引きずり出されるのが嫌だと思って

生まれてきたようでした。


5歳で車に突っ込み、空に舞い上がりました。


7歳で腎盂炎・尿毒症・敗血症の三種合併症で

生死の境をさまよいました。


5か月の入院、

父母の必死の看病で再起しましたが、

抗生物質たっぷりの毎日で、

身体の中は見えないところで燻っていました。


中学の三年間は、夏に酷くなるアトピーと闘い、

自分の肌を恨みながら、

「ここだけナイフで剥ぎ取りたい」と

神様を恨みました。


20代で大腸炎・肺炎で数度入院。


30歳で甲状腺癌の疑い、半分摘出。


それでも私は、

自分の身体を使って実験し続けました。


「この草をつけると肌はどうなるか」


「この食べ方で何が変わるか」


毎日が、身体との格闘でした。


    

「麻緒の求めているものは、日本にある」


30代半ば、オーガニックコスメとの出会いで

肌が見る見る改善していきました。


そして植物オイルだけで作る固形石けんを

障がい者施設で作り始めた時——


作る過程で施設の人たちの手肌が

みるみる綺麗になっていくのを

目の当たりにしました。


48歳の時、スリランカへアーユルヴェーダを学びに行きました。


そこで先生にこう言われました。


「麻緒の求めているものは、日本にある」

日本に帰り、たどり着いたのが——梅でした。




梅には「ムメフラール」という成分があり、

皮膚の常在菌を整える力がある。


日本の台所に、ずっとあったもの。


お婆ちゃんが当たり前に使っていたもの。


そして2010年、ついに梅姫石けんが完成しました。




    

「神様の思いつきを、私が表現しただけ」


この石けんで洗った人たちの肌が、

どんどん整っていきました。


半年後、友人のアトピーの娘さんに使ってもらうと

みるみる改善していきました。


あの頃、「ここだけナイフで剥ぎ取りたい」と

恨んでいた私の肌は——


今では夢にまで見た、薄いピンク色の肌になりました。


この15年間、大きな病気をしなくなりました。


振り返って思うのです。


「私が作ったのではなく、

神様の思いつきを私が表現しただけだった」

——と。


    

エネルギーの不循環——それが、アトピーの本当の原因。


長年の経験と研究を通じて、

私はひとつの確信に至りました。


「エネルギーの不循環——それが、アトピーの本当の原因」


身体に起こる不循環とは何か。


環境ホルモン(内分泌撹乱物質)が

自然なホルモンの循環を乱すこと。


腸を大切にすること(千島学説)。


自然の分娩で生命のエネルギーを取り戻すこと。


四季のある日本の暮らしの中に、

すでに答えがあること。


そのすべてが、キッチンファーマシーという形で

今の私の活動につながっています。



    

曾祖父の血が、ここにつながっていた。


ある時、気づきました。


江口鎮白さんが「手で人を癒す」道を選んだのも、

江口俊博さんが「食と手当て」を説いたのも、

桜沢如一とリマさんが「食で世界を癒す」道を歩んだのも——


すべて、**「エネルギーの循環を取り戻す」**という

ひとつの大きな川の流れでした。


そして私がアトピーで苦しみ、

梅にたどり着き、

キッチンファーマシーを広めているのも——


同じ川の水だったのです。


台所から、世界を癒す。


手のひらから、命を整える。


あなたの台所にも、

その力はすでにあります。



えぐちまお(江口麻緒)

キッチンファーマシー協会代表


【次回予告】

第七章:「手のひらから、信頼の連鎖へ」

─ 百年の癒しの流れが、次の社会へとつながっていく ─


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