一番、好きな人が遠くへ行ってしまう・・・。


正直、まだ、実感が涌かないんだ。
だって、目の前に " 動いてしゃべる" naokiが居るんだもん。


電話もメールもできず、ただ遠くから
"好き" という気持ちを積もらせていた頃より


今の方がずっと幸せ♡



そう、自分に言い聞かせようとしてる気がした・・・・。




「今日こそ、告白しよう。好きな気持ち、伝えよう」

そう思って、土曜日、naokiと会ったんだ。


でも、話すことと言えば、やっぱり転勤のことばっかりで。
しかも、下心、ありありの会話で・・・。



「引越し大変でしょ。私、手伝いに行こうか? 」

「荷物はだいたい実家に送っちゃったから、たいしてないんだよね」

「・・・・・」



「博多って"ぶぐ" が安くて美味しいんだってね。食べに行こうかな」

「その頃は現場じゃないかなぁ。
 博多に居る可能性、低いと思うけど」

「・・・・・」



「でも、九州って博多以外にも色んなラーメンあるから、
 食べたいなぁ~♡」

「俺も、色んなラーメン食べられるの、楽しみなんだよね」

よっしゃー!! (ガッツポーズ!!)



「 新しい家の拭き掃除とか片付けとか手伝うよ 」

「その前に、maoは休み取れないだろ。
 修行中なんだから、しっかり勉強しろよ!!」

「・・・・・はい」


こんな感じ。



やっぱり私は、仲のいい女友達の1人でしかないのかなぁ。


何の約束も進展もないまま、結構、いい時間になり
青山通りを表参道の駅に向かって2人で歩いてたんだ。


左の肩ごしに見るnaokiの横顔、
しっかり、まぶたに焼き付けておかなくちゃ


そんなふうに思いながら・・・。



そしたら、表参道駅の入り口に着いたのだけれど
naokiは地下には入らず、そのまま原宿へ向かって歩き出した。



私は思わず、naokiの太い腕に自分の手を通し
そのまま、そっと手をつないだ。
naokiも、私の手を握り返して来た。



この感触、知ってる。



私の中のコンピューターが
膨大な昔の記憶の中から
一瞬にして探し当てた気がした。




お盆の表参道は人も車も少なくて、
外国人の観光客がのんびり歩いてて、
なんだか、自分まで外国に遊びに来てる気分でね。


ルイ・ヴィトンのマークをかたどった
オレンジやグリーンのカラフルな電飾のディスプレイを
2人でずっと眺めたり


表参道ヒルズの横を通りながら
「高くて絶対、買えないよね」なんて話したり


横道に入って、閉まってるお店のウインドウに飾られた
アクセサリーやスニーカーを見たり


「どれ? 」


なんて言いながら、naokiの左の肩に頬をくっつけてみたけど

その先を期待してたんだけど・・・・。



「また、電話するよ」


駅でnaokiにそう言われたら、私としても何も言えず・・・。



前進は、してるはずなんだけどね。