ライのこと、続き | 猫カフェ計画!-お家猫カフェ運営日記-

猫カフェ計画!-お家猫カフェ運営日記-

自宅猫カフェを始めるまでの記録と、お店&にゃんずの日記です。

小正月も過ぎたので、ライのことをもう少し書こうと思う。

 

 

ライに対しては、後悔していることがある。

 

こうなる前に、

ライのために別の道があったんじゃないか、て。

 

 

*************

 

 

 

ライは、猫懐こく人懐こい、

猫カフェ向きの子だ、と思っていた。

 

 

ライは、仔猫の頃から、

お客さまのお膝でお昼寝するのが大好きだったし

すごく賢い子で

「自分のことを一番可愛がってくれそうな人」を

選んで懐く、と言う技を持っていた。

 

 

そして、初代店長のてんオジチャンと、

キジトラのホタオジチャンが大好きで

3にゃんでよく猫団子になっていた。

 

小さいのに、団子の一番下でも満足して幸せそうだった。

 

 

それが、オジチャン達が死んで、ライは、ヒトリになった。

他の子とはくっつかない。寒がりなのに、いつもヒトリ。

 

ライが団子になるのは、てんとホタだけだったのを、この時知った。

 

 

それから、仔猫を迎える度に、

「ライと仲良くなってくれないかな」て期待をするんだけど

ライは落ち着いたオジチャンが好みなので、駄目で。

 

 

おまけに、他の猫が、神経質で声が大きいライを、

面白がって追いかけまわすようになってしまった。

 

 

てんが今まで、皆を良い感じにまとめてくれていたのだ。

てんがいなくなって、皆、好き勝手するようになった。

 

物理的にも、精神的にも、てんに守られていた、ライは、

てんがいなくなって、丸裸になってしまった。

 

 

ライは、お膝に乗る時間が増えたけれど

他の猫に襲われないように、

お客さまの膝に逃げ込んでいることも多かった。

 

 

私たちの膝か、お客さまの膝か、ケージの中か。

自由気ままにすごす他の猫と、同じ様にすごせるハズなのに、

これは流石に良くない。

 


いっそ、引退させて、家猫にするか・・・。

 

 

でもお客さまにはすごく人気のある子だ。

自分のことが大好きなお客さまに

べったりしている時がライの至福の時間。

 

 

家猫にしたら、昼間は私は部屋にいない。
店にいる時ほど、お膝乗りさせてやれない。

何より、ライは自分が一番じゃないとダメなのだ。

私の部屋には福がいる。ライを一番にはできない。

 

 

でも、家猫になれば、少なくとも、

他の猫に襲われることはなくなる。

 

ライが他の猫と喧嘩になる(ライが喧嘩を売られる)度、

悩んだ。

 

 

ライのことが大好きなお客さま、Aさん。

ライに会うために、遠方から通ってくださっていた。

 

ライもAさんが大好きで、いらしたら膝に乗って離れない。
Aさんの膝でくつろぐライと、

ライをずっと乗せているAさん。

2人の世界、いや、1人と一匹なんだけど

相思相愛、と言う言葉が思い浮かぶ光景だった。

 

 

ライは、Aさんに遊んでもらうわけじゃない。
ライは、Aさんにオヤツをもらうわけじゃない。

ぺったりくっついて、ただくっついて。

Aさんもライも、嬉しそうだ。

Aさんもライも、幸せそうだ。

 

こんな人と一緒に暮らせたら、ライは幸せだろう。

 

 

もし、ライがAさんの飼い猫になったら、きっと、

ものすごく大事にしてもらえるし

ものすごく可愛がってもらえるよ。

 

 

ここにいるよりも。

 

 

 

「ライを、引き取ってもらえませんか」

 

 

 

喉元まで出掛かって、その度に飲み込んだ。

でも、すごく揺れた。

 

 

 

 

そして、ライはいなくなった。

 

 

 

 

「引退させない、このままウチで」

 

それが自分が出した結論で、

それが間違っていたとは思いたくない。

 

引退させていたら、病気にならなかったとは限らないし、

もし引き取って頂いた直後に病気になっていたらと思うと

それはあまりにも・・・。

 


でも、

ライが、他の猫のいない世界で、

べったべたに可愛がられて、愛されて、

幸せな時間を過ごせた道があったかもしれない。

 

そう、どうしても思ってしまう。

 

 

ライは、どっちが良かったのかな。

うちの子のままで良かったのかな。

 

良くなかったとしても、もうどうしようもないんだけど。

 

でも、私たちは、

ライが来てくれて嬉しかったんだよ。

ライが懐いてくれて嬉しかったんだよ。

 

 

気難しいけど、甘え上手で、賢くて、

小さい頭でいつも色んなことを考えていた、ライ。

 

 

病院から戻って、お寺さんに行くまで2日間、

目を覚ますんじゃないかって、ずっと待ってた。

 

 

最後に、抱っこしてやったら良かった。

 

 

ごめんな、ライ。

 

 

ライの名札は、Aさんにもらっていただいたよ。