火鉢を使い始めた当初、どうも炭火のつきが悪く、油断すると消えそうになっていることがよくありました。
原因としては、
① 火つきが十分でない炭を火鉢に移した
② そもそも炭が湿気ている
③ 灰が固まっていて通気が悪い
④ 部屋の換気が悪く、酸素不足
などが考えられますが、とにかく火の勢いを取り戻すためには、新鮮な空気を送ってやらなければなりません。
これが七輪だったら団扇でパタパタ扇いでもいいのですが、火鉢を扇いだりしたら灰が舞い上がって大変です。
仕方なく、うっすら火が残っているところを目がけ、口をすぼめてふーっと静かに息を吹き込みます。すると赤黒かった炭火に鮮やかな赤みが差し、周辺の空気がかっと熱くなってきます。吹く息が途切れるとすぐに衰えてしまいますが、これを何度か繰り返し、炎が立ったらしめたもの。炭にしっかりと火が起こり、しばらくは安泰です。
それにしても、火鉢に顔を近づけて、ふーっ、ふーっと息を吹きかけている顔は、まるで「ひょっとこ(火男の転訛)」。しかも、火が起きてくると、顔が焼かれてまつ毛や眉毛まで焦げそうです。
「ドラ○も~ん、花の乙女の顔(かんばせ)が酒呑童子になっちゃう。助けて~~~(ッテ、モトカラデスガ)」
「ちゃららちゃっちゃちゃ~~~~~ん♪」
「ヒ・フ・キ・ダ・ケぇ(火吹き竹)!!!」
・・・がコチラです。↓
竹の直線を生かしたシンプルなフォルム、手のひらフィットのちょうどいいサイズ。手触りも滑らかで申し分ありません。
さらに火吹き竹の心臓部となるのが、節に開けたこの穴! 大きすぎず、小さすぎず、「吹く息を長く持たせつつ、しかも送る空気は十分」というベストサイズ!! 火との距離を保ちつつ、ピンポイントで息を吹き込めるので、全く無駄がありません!!!
どーですか、お客さん!!!!
はあっ、はあっ、はあっ・・失礼しました。つい熱くなってしまい・・・
それぐらいすごい発明だと私は思います。古くなったり、割れたりしたら、そのまま火にくべればOK。新しい竹は山にいくらでもあるからいつでも交換可能・・・だったんですよね、昔は。
竹藪とは縁遠い都市に住む私にとって、この火吹き竹は貴重品。大事に使いたいと思います。