
1970年代の後半に使い捨てカイロが登場するまで、
カイロといえばこの「白金カイロ」を指すほど
一世を風靡しました。※注1
気化したベンジンが白金(プラチナ)の触媒作用によって、
ゆっくりと酸化発熱する・・・という原理らしく、
大正末期に日本人によって開発された、とか。
釣り好きだった祖父は、早朝に出かけることもよくあって、
冬の釣りのお伴に欠かせないグッズだったようです。
前日になると、釣り竿の手入れと一緒に、
白金カイロにベンジンを注いだり、
口金を掃除したり、楽しそうに釣行の準備をしていたものです。
使うときは、口金に火をつけて蓋を締め、
付属の別珍袋に入れるのですが、
それだけでは熱かったらしく、さらに手ぬぐいで巻いて
懐に入れていました。
長時間温かさが続く白金カイロは、夕暮れに帰宅した祖父が
懐から出してもまだ温かく、外遊びから戻った孫(ワタシ)の
かじかんだ手を、ゆっくりと温めてくれたっけ・・・・。
・・・・皆さんにもカイロの思い出があったら、
ぜひ聞かせてくださいね。
※注1
一時期、あまり見かけなくなりましたが、
繰り返し使えることが評価され、2000年代に入って、
ジッポー社がハクキンカイロ社のOEMで売り出しています。
臙脂の別珍の袋に入れるといかにもレトロなのですが、
ジッポーの袋に入っていると、オシャレに見えるから不思議です。
