第366話の続き

 

看護師「次、レオナルドさんお入り下さい」

患者「オー、フランチェスカ! ロッチェルカート(探したんだぞ)」

看護師「え? 何、何? 何言っちゃってんの、この人。私フランチェスカ違う。ノーノー」

患者「エローイノンポストコメクエスト、ティアーモ(こんな所にいたんだ、愛してるんだ)」

看護師「ノネフランチェスカ、キャピーレ(フランチェスカじゃないの、分かってよ)」

医者「コゼーフランチェスカ、ラモーレノネコズィドルチェ(何がフランチェスカだ、恋愛はそんなに甘くないぞ)アマクナイーノ、カフェーノ、マテーノ、イタリアーノ、ワカッターノ?」

看護師「あら? 永吾ちゃん、この人寝ちゃったわよ」

医者「しょうがねぇな。取り敢えずベッドに寝かしとこう。そっち持って。レム睡眠行動障害かな? 夢と現実の区別がつかなくなったんだろ」

看護師「夢遊病と違うの?」

医者「夢遊病は睡眠時遊行症と言って、深いノンレム睡眠で起こりゆったり動く。レム睡眠行動障害は突発的でパーキンソン病やレビー小体型認知症の前兆とも考えられてるんだ」

看護師「ふ~ん。でも私、外人に間違えられるほど、やっぱり美人さんなんだ」

医者「αシヌクレインが嗅覚や腸の自律神経に蓄積してだな……」

看護師「これから私の事、フランチェスカって呼んでもいいわよ」

医者「……はい、次の方どうぞ。ジョーンズさ~ん」