2年前から何も変わっていない水俣病に対する政府の対応。今回の環境省の不始末はそれを如実に物語っています。思うにこの国は敗戦後(終戦ではない)民主国家を名乗ってはいるものの、その内実は閉鎖的で利権まみれ、何か問題が起こっても誰も責任を取らないいい加減な「なんちゃって民主国家」が長い間続いて来たとしか言い様がありません。この体質自体は戦前から連綿と受け継がれてきた、恥ずべき日本の負の遺産でしょう。

経済では失われた30年とよく言われ、加速度的に転落の一途を辿っている国。国の借金が1200兆円をゆうに超え、円安でどうにも身動きがとれない国。それになのに国会議員が人口比でアメリカの3倍以上もいて、裏金や旧文通費の使途もみずから是正できない国。未来へ向けて舵取りをする人間が誰もいない国。それが今の日本です。

一方で、衣食住がそこそこ事足りていれば、国民は敢えて為政に異を唱える事はないでしょう。でも時には同時代に生き、困難に直面している人間に思いを馳せる事も必要ではないでしょうか。せめて、虐げられた人々に寄り添い声を上げるだけでもしたいものです。明日は我が身かもしれないのですから。