患者「走ったり、階段の昇り降り、お辞儀をした時なんか、ヘックシュ! 歯がジンジン痛むんです。虫歯でしょうか? ズルズルッ」

医者「診てみましょう……おかしいですね。虫歯はありませんよ」

患者「ほんはほほはひはへん、ほっほほふひへふははひ、へへ、ヘッフヒュ!」

医者「はい、じゃ口ゆすいで下さい。あなた、もしかして花粉症じゃないですか?」

患者「かか、花粉症じゃないですよ。ぜぜ、ぜっクシュン! 絶対に。ズズズッ」

医者「だってさっきからクシャミ・鼻水が多いし、目がショボショボしてて赤いし、汚い目ヤニが出てますよ。目、痒くないですか? ピークとっくに過ぎてるんですけどね」

患者「そんなはずないでで、でクション! もう一度よく診て下さい。あー歯が痛い」

医者「何度診ても同じです。花粉症による副鼻腔炎で、神経が圧迫されて歯の痛みを感じる事があるんです。花粉症ですよ、あなた。立派な」

患者「やだなぁ、僕は性格もあそこも立派じゃないし、花粉症でもないってさっきから言ってるじゃないですかか、かクション! ズルッ」

医者「分かりました。では奥歯削りますが、それで痛みはなくなりませんからね」

患者「え? 虫歯じゃない? あれっ? 冗談止めて下さいよ。クシュン! か、花粉症?」

医者「そう。あそこが立派じゃなくても立派な花粉症です」