兵士「軍医殿、我が軍はこの占領地から撤退するのでありますか?」

軍医「撤退ではない。転進※だ! この地を去るのは、戦力の配置換えのためだと聞いている。それより傷の手当てだ。左脚に銃創が3カ所ある。これは酷い。ここには手術器具も薬もないから手に負えん。本国への帰還証明を出してやる」

兵士「歩けなくなっても、生きていられるだけでありがたいです」

軍医「傷が治ったらすぐ前線に戻って来い。我が国には軟弱な兵士はいないはずだぞ」

兵士「でも軍医殿、ここにはネオナチなんて1人もいないし、転がってる死体はみんな民間人ばかりです。これは戦争犯罪ではないのですか? みんな戦意喪失しています」

軍医「全部敵のフェイクだ。敵の術中にはまるのは、お前の鍛え方が甘いからだ」

兵士「お言葉ですが、みんな武器まで捨てて命からがら逃げて来たんです。敵は8倍の戦力でした。それでどうやって戦えと言うんですか?」

軍医「1人で8人倒せばいいだけの話だ」

兵士「そんなムチャな」

軍医「何がムチャだ。ムチャな事をしたのはブチャだけじゃない。変な考えは持つなよ。拷問して殺害されるのは敵だけじゃないぞ」

 

※旧日本軍が負けて退却する時、それを認めずにこの言葉を使った。