妻「あた、ジャスティン・ビーバーが顔面麻痺になったんばいって? 知っとった?」
医者「あゝ、ラムゼイ・ハント症候群やろ? ついとらんばいな。子供ん頃に水疱瘡に罹ると症状は治まったっちゃ、神経内に『水痘・帯状疱疹ウイルス』が残るったい。そっがある時、ストレスや過労で免疫力が下がると活発になって悪さばする。症状は色々出るばってん、顔面神経で起こっとがラムゼイ・ハントばい。思うごつ表情作れん、瞼も閉じられんとかな」
妻「そぎゃん事になって可哀そう。あた、治してあげなっせ」
医者「オレは一介ん町医者だぞ。出る幕はなかばい」
妻「あた寝とっても口閉じられんで涎ダラダラ垂らしとっとに、ちゃんと喋るるやなかと」
医者「そら関係なか。顎抜けになっとるだけや。治療はせんでよか」
妻「じゃ、あそこはどうと? いくら刺激したっちゃ勃たんばってん、トイレは出来る」
医者「そらあればい、蓄積疲労ばい。しゃんむり動かすと折るるけん、静養中や」
妻「すらごつ言い! そぎゃんこつ言うて、こないだ入った若か看護師ん尻追いかけ回しとるやないか。あれはどぎゃん事? 説明しなっせ!」
医者「……静養しながら、少しずつ慣らしとるたい。仮免許じゃ」