夜明けまで、あと数時間ありましたが、恐怖心と緊張感の為か、誰も眠れません。


会話も余り弾まない嫌やーな空気を切り裂いたのが、ナツリンでした。


ナツリン
「ねえ、何かゲームしない?75ちゃん人生ゲームとか持ってないかな?」


75
「トランプくらいしか無いなぁ。」


ハンセン
「よし!大富豪やろう!」


それから朝まで5人での大富豪、最初はシラーっとした状況でしたが、やってる内にエキサイトしてきました(苦笑)


アッシ達はこの時初めて革命というルールが存在する事をナツリンから教えてもらいました。


ノーマルルールしか知らなかったアッシ達は戸惑い、狼狽えましたね(^。^;)


例えるならば、初めて桃鉄に貧乏神が登場した時と同じくらい衝撃的でやりにくいルールでした(例えがよく解らんか…)


慣れないルールで苦しんでいたんですが、ようやく部屋に朝日が差し込んできた際、安堵感からかアッシは叫んでしまいました。


MAO
「朝だ!我々は救われたんだ!」


ナツリン
「明るくなったらホッとするね。まあ、私は朝でも日中でも変な物見ちゃうけど。」


緊張の糸が解けてきたのか、皆あくびを連発しだし、1人、2人と眠っていきました。


この日は昼頃起き、ファミレスでブランチを食べ、ナツリンを駅まで送り届け、駅前で話をしました。


ハンセン
「カマボコどうする?今後のナッちゃんとの展開は?」


カマボコ
「うーん、諦めるわ。」


ハンセン
「なんでよ?」


カマボコ
「だって先輩に惚れたままなんやで。ナッちゃんほどの女の子を惚れさす先輩や、きっと爽やかで笑った時は白い歯がキラっと光るスマートなスポーツマンやわ。俺とは比較にならん。」


ハンセン
「せっかく紹介したのに。そんなん判らへんやん?ひょっとしたら先輩もカマボコみたいなタイプかもしれんで。」


カマボコ
「本音を言うわ。あんだけ霊感強いのを見せつけられたんやぞ。途中から俺はドン引きやったんや。
仮に付き合ったとして、デート中とかに『あそこに老婆が立ってる』とか言われるのは堪忍や。」


MAO
「確かにナツリンは噂通りというか。アッシの友達の知り合いのアイちゃんって子に匹敵する霊感の強さかも。先輩にフラれた原因も霊感かもしれん。」


結局カマボコは交際するのを断念しました。


貴方なら超霊感がある人と付き合う勇気有りますか?


それは75の家の庭に離れができて、すぐの頃の話です。


75の父上の弟さん(75の叔父上)が子供達を連れて、この離れに宿泊しようと遊びに来ました。


夕食も終わり夜も更けた頃、まだ遊びたい盛りの子供達(75の従姉妹)は離れではなく、75と一緒に母屋で寝たいと駄々をこねたそう。


仕方ないと叔父さんは承諾し、兄夫婦に子供達をお願いし、1人で離れに向かいました。


布団に潜り込んだんですが、近くの母屋にいるとはいえ娘達の事が心配だし、枕が変わったせいも有り、中々寝付けずにいたらしいです。


目をつむっていると、室内で何人かが喋ってるような声がしてきました。


暗がりの中で目を明けると、おぼろげなからも複数の人影が確認でき、声はだんだん大きくなったいったそうな。


叔父上が恐怖心をかかえながらも念仏を唱えに唱えたところ、人影は消えていったらしいんです。


MAO
「おい75さんよ、そういう話はもっと早く思い出しときなさい。そんな事があったんなら、ここには集まらず、別の場所を選んだのに。」


カマボコ
「中学校か?」


MAO
「違ーう!お前の家とか、アッシの家とか…」


75
「だって、ナッちゃんの話を聞くまで忘れてたんやもん。それに聞いた時は私も従姉妹も小さかったから、叔父さんが怖がらせようと話を作ったと思ってたし…



ハンセン
「叔父さんの話、ナッちゃんの体験で信憑性が出てきたね。」


ナツリン
「まぁ、私がさっき見たのと叔父さんが見たのが同一の物かは判らないけど。」


MAO
「どうであれ、ここには何かケッタイな物が寄り付くっちゅう訳や。新魔の三角地帯に加えて魔の四角地帯に変更せなアカン。」


ハンセン
「中学校を含めたら五角地帯やわ。」


カマボコ
「夜もかなり更けた事やし、俺達野郎共は当初の予定通り、俺の家へ向かう事にするか。なあMAO?」


ハンセン
「おい!この期に及んで、しかもこんな遅くに何が当初の予定や!逃がさへんで!アンタら男やったら朝まで、ここに残ってか弱いレディ達を守らんかい!」


MAO
「こういうのはドナイ?アッシとカマボコはカマボコの家に行く。君ら3人は75の母屋へ行く。」


75
「私の部屋は3人無理やわ。」


ナツリン
「もう気配はしないし大丈夫よ。但し、これ以上怖い話は厳禁ね。」


MAO
「よし、日の出まで耐えるか!」


つづく…
ナツリン
「テスト?それがね、そういう肝心な事は浮かんでこなかったんよ。困った事に(爆)」


さて、夜もかなり更けて午前1時を回った頃、バイトで疲れていたのか、ナツリンの目がトロンとなってきました。


75
「ナッちゃん?もう寝る?お布団敷いてあげるわ。」


ナツリン
「じゃあお言葉に甘えて、皆さんお先におやすみなさい。」

部屋の端に敷かれた布団でナツリンは寝息を立て始めました。


アッシ達は相も変わらず、怪談話にいそしんでいました。


しばらくして、ガバッとナツリンが起き、辺りをキョロキョロ見始めたんですよ。


ハンセン
「ナッちゃん、どうしたん?」


ナツリン
「…いや、何でも…」


そう言うとナツリンは、再び眠りにつきましたが、またしばらくすると、ガバッと起きてきたんですよ。


しばらく肩で息をしてから、アッシ達に呼びかけました。


ナツリン
「皆、ちょっと話を止めて!」


ハンセン
「ごめん、話してたらうるさくて寝られへん?」


ナツリン
「いや、そうじゃなくて、怪談話はこれ以上しないほうがいい。」


ハンセン
「えっ、なんで?」


ナツリン
「実はね…」


ナツリンが何故2回飛び起きたか?理由はこうでした。


まず、心地よい睡眠状態にある時、誰かに急に両足を引っ張られたらしいんです。


ナツリンが寝てる場所は部屋の端の方、アッシ達は中央部分で喋ってましたから、アッシ達の悪戯ではなく、別の人間(?)に引っ張られたと認識したそう。


気のせいかもしれないし、再び横になりましたが、今度は寝付けず目をつぶったまま横たわっていたら、耳元で「なあ、連れて行く?」と女の声がして、「どうしようか?」と返す男の声も聞こえました。


目を開けると老人の男女がナツリンの顔を覗き込んでいたそうな!


声も出ないほどの恐怖を感じましたが、「連れて行かれてたまるか!」と何度も心の中で叫ぶうち、2人はフッと消えていったと言います。


アッシら一同はこれを聞いて思いっきりのけぞったのは言うまでもありません。


カマボコ
「もう完全に2人はいない?」


ナツリン
「今は何も感じない。」


ハンセン
「怪談話をしたら集まるって、よく言うからな。」


75
「ちょっと思い出した事が有るわ。」


MAO
「何を?」


75
「昔、私の叔父さんがこの離れで体験した事…」


つづく…