私は、子供の頃からずっと体が硬かった。四歳から中学三年生までの10年以上バレエを習っていたのだけど、床に座り足を横に広げるのは、90度プラスくらいしか広がらなかったし、その状態で前屈をしようとしても、体は殆ど前に傾かなかった。立ったままの前屈でも、指先は床に着かず、宙に浮いたままだった。

 

健康の為にとスポーツジムに通い始めたのは、もう10年程前になるけれども、実はその前は、2~3年ヨガ教室に通っていた。それまでは、運動らしい運動は何もしていかったので、急にスポーツジムで運動するのはハードルが高いと感じた。そして、そのころは、体調が悪くて、ジムの運動より動きが緩やかなヨガの方が良いだろうという判断もあった。

 

そのヨガ教室は、お月謝制で、一か月に一度行っても、毎日(一日に何度)行っても同じ金額なので、本当に毎日、クリスマスなどのメジャーな祝日でお教室が閉まってしまう数日を除いて、年に360数日通っていた。毎日一時間ほどのヨガをして数年しても、私の体が柔らかくなる兆しはなかった。数年して、体力が付いてきて、一日一時間のヨガでは、体を動かしたという実感が薄れる様になってきたので、運動量の多いスポーツジムのフィットネスクラスに通うことにしたのだけど、ストレッチは大事だろうと、週に一度はヨガとか、ヨガから派生したストレッチのクラスとかを取っていたのだけど、5年6年経っても、体の柔らかさは変わっていないと感じていて、私の体は柔らかくならないんだ、と思っていた。まあ、体が硬いと、転んだ時に大けがをしやすくなるとか聞いたけれど、そういう害が出るほど体が硬いわけではないから、そんなものだろうと思うことにしていた。

 

ヨガ教室の時も、スポーツジムでのヨガのクラスでも、体幹やバランスを鍛えるためにと「木のポーズ」は、ほぼ毎回やっていた。

 

 

 

ヨガを数年、ジムのフィットネスクラスで鍛えて数年、私の体幹やバランス感覚はそれなりに鍛えられて、片足でバランスを取るポーズの数々も、なんなくこなせるようになったのだけど、この「木のポーズ」だけは例外だった。立っている方の足や、体は真っすぐに、体幹を保って立てるのだけど、曲げている方の足の裏を、立っている足の腿の辺りで支えることが出来ない。ずり落ちないように、曲げている足を、手で支えていればよいのだけど、手を離すと、曲げている足がずり落ちてしまう。

 

ずっと、長いこと、どうして他の人は、曲げている足の裏を立っている腿の辺りで固定出来るのだろうと不思議だった。私は、ヨガをする時は、裸足だけど、長丈のレギングをはいているので、レギングが滑るのかなぁと思っていた(でも、腿の隠れたレギングをはいていても、ちゃんと足を固定出来ている人も多い)それが、数か月前のこと、数十秒ほどだけど、曲げている足の裏を立っている足の腿の辺りで保つことが出来た。「今日は何で滑らないんだろう」と不思議に思っていたけれど、その後も、もっと長い時間や、反対側の足の裏を腿辺りで固定できるようになってきた。

 

そんな折に、他のポーズをしていてハタと気が付いたのは、今までは膝をグイっと曲げても、膝の裏にテニスボールが入るくらいは間が空いていたのに、今は、ふくらはぎと太ももが、ほぼピタリとくっつくようになっていて、明らかに膝の折れ方が違う。私が「木のポーズ」が出来なかったのは、膝周りが硬くて、膝が曲がらないからだったのだという事に気が付いた。

 

先日、見ていたテレビで、体が硬い人は筋肉の長さが短いと言っていたけれど、確かに、前は、膝をしっかり曲げようとすると、何かが引っ掛かって膝を曲げられないような感覚があったけれど、今はその引っ掛かりの感じが無くなっている。試しに、立って前屈をしてみると、なんと、手のひらが床に平らにつくところまで、するすると前屈が出来る。こちらも、前屈が出来ない時は、何かが引っ掛かっている感があったのだけど、今はその引っ掛かり感が消えている。

 

筋肉はストレッチをすることで、伸びるとのことだったけれど、運動を日常に取り入れて、10年程、やっと私の筋肉も伸びて来てくれているようだ。