ピアノを弾きたいとレッスンに来る生徒の殆どが憧れの曲として挙げるのが、ベートーベン作曲「エリーゼのために」だと思う。私の幼少期の記憶が正しければ、この曲を弾くのはブルグミュラーの25の練習曲集を終えた後という流れだったと思う。しかし、私のピアノ教室の生徒たちは、ちょっと楽譜が読めるようになると「エリーゼのために」が弾きたいと言い出す。ほぼ全員が、有名なテーマの所しか知らず、そこだけ弾ければ満足するし、その有名箇所だけなら、ブルグミュラーよりレベルの低い生徒でも弾けるので、私は「弾きたい」という生徒を止めることは、あまりしない。
 
先日もそんな生徒のレッスンをしていた。使っている楽譜は、長年私の手元にあったもののコピーを渡していたのだけど、元々の出所が何処であったかは、覚えていない。しかし、その楽譜をよく見てみると、所々で、明らかな間違えがある。
 

 
それは最初のメロディーで、右手の四分音符は付点四分音符か四分音符プラス八分休符でなければいけない。このパートは、私にしては珍しく、暗譜しているので、楽譜を開いた記憶がない(細部を覚えてないなら暗譜出来てないということか)そこで、大昔に買った電子ピアノに付属品としてついてきたクラシック有名曲が色々と載っている楽譜を開いてみると、四分の三拍子ではなく、八分の三拍子で書かれている。
 
これは、Urtextを見て見なければとIMSLPで探した。見つけた楽譜を見ると、拍子は八分の三拍子で、最初のメロディーは八分音符で、十六分休符が続く、それを四分の三拍子にすると、四分音符プラス八分音符でないといけない。そして、ちゃんと楽譜を書き換えておこうかと(シドレミで始まる)次に続くメロディーは、手元にある楽譜でも、ちゃんと付点四分音符になっている。もしかしたら、似たようなメロディーだけど、細部を変えてきたという、ベートーベンにありがちな手法ではと、原典をみると、ちゃんと付点八分音符になっていて、休符はない。
 
長いこと弾いている曲だけど、改めて楽譜をしっかりと見直してみると、こんなところに小さな変化があったのに、気づかされた。今の所、有名な最初の二つのメロディーの所しか見ていないのだけど、曲中何度も繰り返される、この二つのメロディーに、後々変化がつけられているところがないか、しっかり見てみようと思う。