ここ数年買っているブロードウェイミュージカルのアメリカ巡業のシーズンチケットは、一年で6つくらいのミュージカルのチケットがセットになっている。私はミュージカル好きで、結構のミュージカルを見ているから、セットの中に見たことのある演目が入っていることも、偶にある。でも、そういう時でも、前に同じ演目を見たのは随分前だしと、チケットを転売(劇場に頼むとやってくれる)したり、他の演目との交換をせずに見に行っていた。
今までの経験では、前に見た時は「いまいち」と思った公演でも、見直してみると、なかなか良くて、転売したり交換しなくて正解だったと思っていたけれど、今回、観に行ったムーランルージュは、転売しておけばよかったと思った。
大昔になるけど、ミュージカル舞台版のムーランルージュを見た時は「あまり面白くない」と思ったし、その後、ミュージカル映画になった時に(ニコール・キッドマン(この方も私はあまり好きでない)主演で随分お金も掛けて、興行的にはヒットしたと記憶している)映画でも見てみたけれど、こちらでも「つまらない」と思ったし、確か途中で寝てしまった。今度こそと、ちょっと期待して行ったのだけど、私の期待はことごとく裏切られた。
確か、お話の舞台は世界大戦前のパリだったと思うけれど、劇中歌の半分は80年代90年代にアメリカでヒットした歌謡曲だった。話の流れとしては歌詞の内容はあっているのかもしれない。80~90年代の歌謡曲のヒット曲は、聞いたことのあるものが多かったけれど、私は歌詞をサビの部分くらいしか知らないので、歌謡曲の原曲の抜粋歌っているのか、サビ以外は舞台の物語に沿って替え歌にしているのかと疑問に思っていた。前の舞台も映画も、覚えてないので、映画の時に流行った「キチキチ、チャチャチャ~」という曲以外は、ミュージカルのオリジナルなのか、ヒット曲の二番煎じなのかも分からない。
その上、メインの役の歌声は悪くないのだけど、コーラスが下手で、同好会の発表会ではないかと言うレベルで「これで、お金取ったら怒るよ」という、悲惨なものだった。一緒に行った旦那も「今回は、なんか、歌、下手じゃない?」と言っていた。
ネタバレになるけれど、
話は、ムーランルージュというパリのキャバレーで働いているダンサー兼娼婦がアメリアからやってきた作曲家と恋に落ちるのだけど、ダンサーはお金持ちの貴族の妾にならないといけなくて(キャバレーがつぶれそうな時に貴族の旦那が出資をする条件)そして、最後は肺の病気になってしまう。自分が病気だということを、アメリカ人作曲家には知らせずに、わざと足蹴に扱って、他のスタッフにも知らせず、体がボロボロになりながらステージに立ち、その作曲家が作ったショーの初日まで、どうにかたどり着き、幕が下りると同時位に死んでしまうという筋書き。
お決まりの様に「彼の素晴らしい歌を皆に届けたいから、自分は無理をしてでも舞台に立つのだ」と言うのだけど、出てくる歌は、80~90年代のアメリカのヒットソングだから、結局「彼の素晴らしい歌」は、どんなものなのかさえ、私には分からなかった。
久々、というか初めて、ミュージカルの舞台を見て「来なきゃよかった」と思った作品だった(ミュージカル映画では、偶に「つまらない」と観るのを辞めた作品も、今までにはあった)
前に見た舞台や映画の記憶は「つまらなかった」というものだけなので、元々こういう話の流れだったのか、今回の巡業ではアレンジされていたのかも分からない。ああ、時間とお金を無駄にしたと悔しい。

