年間を通して買っているブロードウェイミュージカルのアメリカ巡業のシーズンは秋から始まるので、今シーズンの公演も残すところ少なくなってきている。その残すところ少しの次の公演は「A Beautiful Noise」と言うもので、歌手のニールダイアモンドの曲をミュージカルにしたものらしかった。
ニールダイアモンドの名前は聞いたことがあったけれど、どんな曲を歌っていたのか全く見当がつかなかった。私は、歌謡曲にはあまり興味がないので、歌謡曲を聞くのは車を運転しながらラジオを付ける程度。ヒット曲など、ラジオでよく流れる(流れていた)曲は知っているけれど、曲名も歌っている歌手が誰なのかも知らないということは多い。今回も、曲は聞いたことがあっても、ニールダイアモンドの曲だと知らないだけだもしれないと思いながら、劇場に足を運んだ。
劇場のお客さんたちは、期待に外れず、ずいぶんお年を召した方が多かった。そして、客席案内のお兄さんは「この舞台はコンサートの様に感じるかもしれませんが、皆さんは一緒に歌わないように、歌を歌うのは舞台上の俳優さんだけにしてください」と言っている。ノリが良いというのか、お行儀が悪いというのか、自分の好きな曲がミュージカル内で歌われると、一緒に歌いだす人がしばしばいる。そういう人に限って、音痴で、そんなことを近くでやられたら、こちらはたまったのものではない。
こういった、一人の歌手の曲を寄せ集めて作ったミュージカルは二通りあって、一つは曲の内容を踏まえて、話を作るものと、もう一つは、その歌手の生涯を歌を織り交ぜながら話にしたものがある。今回のミュージカルは後者で、ニールダイアモンドの生涯を、ヒット曲を混ぜながら語ったものだった。ミュージカル全体で、20位の曲が披露されたのだけど、錆びの部分を聞いたことのある曲が数曲あったのみだった。劇中の解説だと、ニールダイアモンドは結構な数の曲を発表したらしいけど、こんなにも聞いたことがなかったのかと驚いた。
特に、ニールダイアモンドが好きでも、彼の人生に興味があったわけではない私は、今回の公演は可もなく不可もなくと言った感じだった。先日、何かのインタビューで、ミュージカル界の巨匠のアンドリュー・ロイド・ウェバーは「最近のミュージカルは、昔、ヒットした曲の二番煎じばかりで、独創的な新作がないのが残念だ」と言っていたのだけど、本当にその通りだなぁと思っている。
