私がバイオリンを習い始めたのは、10年程前になる。ピアノレッスンに通わされていた子供の頃、私はピアノよりバイオリンが習いたくて、母にそう伝えると「あんな、キーキーとうるさい楽器はダメ」とバイオリンは習わせてくれなかった。私は、色々な事を根に持つ性格なので、母の都合でバイオリンではなくてピアノを習わされていたということを、ずっと根に持っていた。バイオリンを習い始めた動機は、その根に持っていたことに対する復讐のような気持ちだったのは覚えているけど、なぜ、あの時期にバイオリンを始めたのかというと、自分でもよく分からない。

 

その10年程の間に、ずっとレッスンを取っていたわけではなく、始めてから1~2年位はレッスンを取っていたのだけど、その後は何年もバイオリンに触ってさえいなかった。それが、何かの拍子に、ふとバイオリンを手に持った。楽譜は読めるし、弦のどこを押さえれば何の音が出るという理解はあったので、レッスンを取らずに独学で色々な曲を弾こうとしたのだけど、第一ポジション以外の音が出てくると途端に出来なくなった。自分で第三ポジションも勉強しようとしたのだけど、上手いこと行かず、レッスンを再開することにしたのが2年半程前になる。

 

そうして、バイオリンを再開して少し経つと、弦楽器の演奏を聴く機会も増え、今度は「低音のチェロの音って素敵だなと思い始めた。そこで、チェロの楽譜の多くが書かれているヘ音記号は分かるし、バイオリンで弦楽器を弾く時に原理は若手いるので、自分で出来るかもと、チェロをレンタルして、独学でチェロをやり始めた。そして、チェロでも第一ポジションの曲はそれなりに弾けるようになったのだけど、拡張ポジションや、他のポジションが出てきた辺りで、独学では無理だと気が付き、レッスンを始めた。

 

バイオリンも、チェロも、独学でやっている時は、弓は弦に対して直角に曳くということは知っていたけど、どうしても弓が曲がってしまっていた。弓の矯正グッズなども試したけれど、効果があったと外すと、また元に戻ったりしていしまっていた。自分で研究したり、レッスンで先生にアドバイスを受けたりして、明確になったのは、私の弓が曲がってしまう大きな原因は、腕や手の動かし方が不味いということ。そして、もう一つ気が付いた大事なことは、同じ弦楽器なのに、バイオリンとチェロでは弓を動かすときの右手の動きが正反対だということ。

 

バイオリンだと、基本、上腕はあまり動かさず、肘を曲げ伸ばして下腕を動かす。弓の先からフロッグまで弓を動かすときは、手を伸ばしている状態から、肘を曲げて弓を上に動かして、肘を曲げ終わったところから、上腕を下腕に引っ張られるように動かしていく。私は上腕を動かして弓を動かしてしまう癖があるのだけど、上腕を動かした弓を曳くと弓があっちに行ったり、こっちに行ったりしてしまう。レッスンでも、先生から「上腕は、そんなにバタバタ動かさない!」と言われることがしばしばある。

 

そんな、経緯があるので、チェロを弾く時も、肘や上腕をなるべく動かさずに弾こうとしてた。しかし、そうすると、弓がふらふらする。実は、チェロでは反対に、上腕をメインで動かして、弓を曳かないといけない。弓のフロッグを弦の上に置いたところからだと、最初は脇を開いて、上腕を動かしていき、上腕が精一杯開いた後は、肘から下を動かして、弓を曳いていく。反対に弓をアップで動かすときは、先に肘から下を動かすけれど、結構早い時期に上腕を動かさないといけなくなる。私は、ついつい下腕を動かして弾こうとして、弓にしっかりと腕の重みが乗らず、下腕でぐいぐいと弓を押さえつけようとしてしまうので、聞くに堪えない音が出てしまう。

 

今は、バイオリンとチェロの右手の使い方が正反対だと気づいたので、それぞれの楽器を弾く時に、頭を切り替えて腕の動かし方を変えようとしているけれど、バイオリンを弾いている時にはチェロのやり方が、チェロを弾いている時はバイオリンのやり方が出てしまう。まあ、どちらの動きもしっかりと身についている訳ではないので、両方の楽器を同じように中途半端に弾こうとしているかもしれない。こういうことは、体にしっかりとしみこませて、あまり意識しなくても正しい動きが出来る様にならないといけない。そうなるためには、体の動かし方に気を付けて、ひたすら練習をするしかない。