ピアノ教師にとって頭を悩ませることの一つが、生徒が家での練習をしないことだと思う。日本だったら、楽器の習い事は、レッスンに通うだけでなく、家で練習することが当たり前だと思っている人が殆どだと思うけど、アメリカ人は「え?家で何かするの?」みたいな人も多い。そんなこともあるのか、先生でさえも家での練習を期待していない人も多い様子だ。
私のお教室では、他のお教室からの転校生の生徒も多いのだけど、その多くが、レッスン時に宿題が出て、それを次のレッスンまでに練習してくるという習慣がないく、そういう子に家での練習の習慣を付けさせるのが、とても大変だ。特に、私は生徒が練習してこなかったと怒ることはしないし「あぁまた練習してないなぁ、同じことずっとやっていて自分でイライラしないのだろうか」なんて思っている。
そんな家での練習をしない子供、つまり殆ど上達しない、を見ていても、何も言わない親御さんの時は、私はあまり気にしないのだけど、家で練習してないと私に苦情を言ってくる親御さんには困ってしまう。私はレッスンの時に、今回の宿題はこれ、練習は出来るだけ毎日、練習するということは何や、ということを子供達には伝えているので、指示に従わないのは私の責任ではないし、家での練習をきちんと監督するのは親の責任だと思っている。
そんな「私に言われても、、」と思っているのが、中学生のA君の親御さん。ここ一年位、何かにつけて「家で練習していない」と言ってくる。A君は頑固で、人の言うことを聞かない。私の所に通い始めて2年になるけど、宿題をしてきたことは、ほぼない。親御さんによると、学校でも家でも同じで、自分のしたいときにしたいことだけするという、典型的なティーンといえようだ。
家でのA君の行動も親御さんは問題視しているみたいで、そういうことを話した時に、ピアノの練習について話もしたらしく、家では毎日15分の練習をすることに同意はしたそうだけど、結局やっていないらしい。私の方も、いい加減、この生徒とも親御さんとのやり取りもうんざりしてきたので、今後は少々厳しめに接することにした。
先日の45分のレッスン中、ほぼ30分を掛け、とくとくと、家で練習してくることが前提で私はレッスンを行うこと(前の先生たちの時の様に)レッスンで練習しようとは思わないように、今まで声高々には言ってこなかったけれど、私には練習をしたけど弾けるようにならなかった時と練習をしなかった出来なかった時の区別がつくこと(A君は、練習をしてこなかったというのは恥だと思う位は分別があり、家での練習について大げさに話す傾向があり、その都度、私はまた大げさに言っているなと思ってきた)家では一日15分の練習と親御さんと同意したことは聞いたけど、A君のレベルを考えると、15分はとても短く、一日30~40分が標準だと私は思うことなどを説いた。
まあ、中学生ともなると学校や課外活動も忙しくなるから、親御さんと決めた一日15分の練習時間については、今は問題にはしないけど、時間が短いのだから、だらだらとせず、しっかりと目的意識をもって練習するの必修だと(これは2年間言い続けているけど、いつも、気が向いた時の、だらだら練習してからしてきていない)言うと「一日15分が短いなら、もっと時間を増やすこともできます」とか言う。この2年間の間に、定期的に練習することしかり、一日5分の練習も(何度もやりなさいと言われながらも)やらなかった子が、出来るわけないじゃんと、私は心の中で呟いた。
親御さんには「先日のレッスンでは、いつもより厳しめに家の毎日練習が必要、期待されていることを伝えておきました」と連絡をしたけれど、今後は「私は出来ることはした、家での行動まで責任は取れない」と伝えたほうが良いのかもしれないとも思っている。