現在取り組んでいるカイザー26番では、スピッカートに三度目の正直の挑戦をしている。

初めは弓が弦の上でバウンスしているだけで、音が出なかった。2~3センチくらいは行ったり来たりしないと音は出ないとのことで、弓を横に動かすように気を付けた。すると、音は鳴るのだけど、どうしても、動かさないようにと言われている肘が動いてしまう。そして、弓の上の方がバタバタと揺れているのが分かる。肘を動かさずに弾くには手を柔らかく使って小さい動きで弓を動かすとのことだけど、どう見てもわたしの手や手首は固まったまま。

 

普通に演奏する時は、前よりは手や手首を柔らかく使える様になったとおもったのだけど、バウンスする弓を落としたりしないように、そして、コントロールしようとすると、どうしてもこわばってしまう気がする。これは手や手首を柔らかく使うことを最初から見直したほうが良いのかもしれないと、ネットで指導動画を検索すると、柔らかく使うためには、それなりに指などに使える筋肉がついていないといけないそうで、必要な筋肉をつけるための筋トレについて教えてくれている動画を発見した。

 

 

コンピューターの画面を見ながら、そばにあった30センチくらいの物差しを弓に見立ててやってみると、どれも「簡単!」と思ったのだけど、実際にバイオリンの弓でやろうとすると、四苦八苦で、トレーニングを続けていかないといけないと実感する。

 

この動画を見つけて二日か三日後に行ったレッスンでは、カイザー26番を弾く前に「音階でバウンスさせる練習をしたのですが、どうしても肘が動きます」と申告した。(左手の音程取りの方は、全く練習していなかったのもあるし、曲を弾いてしまうと先生の注意が他のところに行って、結局習いたいことを習えずにレッスン終了となる可能性が高そうだったので)そして、弓の飛ぶ位置を確認したり、開放弦でとにかくスピッカートをしようとする。前に、結構うるさく言われた肘の動きには何とも言われなかったのだけど、全体的にやり方が違うようだ。そこで、飛ばさずに、助走のような感覚で弦の上で弓を小さく動かしたり、トレモロ(今の先生には習っていないのに、先生は出来るわよねといった感じ)から、だんだんに飛ばす動きにはいっていくというようなことをやる。そして、指、手から肘までの角度について説明を受ける。

 

先生の動きをジーと観察していると、右手の指や手首をすごく柔らかく使っているっぽくはない。どちらかというと、殆ど動かず、同じ形を保っている。そして、右腕の上腕も少々動いているので、私が思っていたようにピタっと肘の位置を固定している訳でもない。先生と一緒に弓を動かしていると、だんだんに「そう、それでいいの」「その調子」というコメントももらえるようになるけど、実は前回のレッスンでもそう言うわれたけど、家に持ち帰ったらできなくなったので、レッスン中にこの動きを体に覚え込ませなけれぼと思う。

 

そんなことを繰り返しているうちに気づいたのは(実は前回も思った)弓が私が想像しているのよりもずっと「飛んで」いないこと。私が自主練習で「飛んだ」と思っ状態と先生が「飛んでいる」という状態を比べると、私の方が10倍以上(弓と弦の)距離がある。私の場合は、指や手首の柔らかさ云々、肘の動き云々の問題ではなくて、弓を大きく動かし過ぎていたようだ。肘を固定する練習ではなくて、肘が動いていないと感じられるほどの小さい動きを目指すべきだったのだと気が付いた。

 

さて、この先、自宅での練習で再現できるだろうか。