私がピアノを教え始めたのは10年とちょっと前になる。教え始めて、最初に迷ったのが、楽譜が読めない人(子供)にどうやって楽譜の読み方を教えるかということ。初めは行き当たりばったりだったけれど、色々な教材を勉強して、自分の経験を踏まえて、試行錯誤して、自分なりの教育法を確立した。そのために必要な教材もサック性し、それからは、幼稚園生くらいの年齢の子供でも一か月もしないうちに楽譜を読んで音符の通りにピアノが弾けるようになるようになった。

 

しかし、昨年の新年度(アメリカの学校は9月頃から新年度が始まる)からレッスンを始めた小学校一年生のRちゃんの指導では手こずっている。

 

Rちゃんのご両親は音楽をやったことがあり、私のところに通う前はご両親がレッスンをしようとしけれど、やっぱりそれではダラダラとなってしまい効果がなかったので、フォーマルなレッスンをすることにしたとのことだった。

 

家で音符の読み方などを少し習っていたのなら、簡単な曲を弾くのは直ぐにできるかと思ったら、私の思惑は大間違いだった。ドレミ(アメリカではCDE)も鍵盤の位置も理解していない。それ以前に楽譜は弾く音を表記してあって、その通りに鍵盤を弾くのだということ自体も理解していないようだった。そこで、楽譜は音の並びが書かれているから、それを追ってピアノを弾くのだということ。鍵盤上でのドレミの位置、そして、楽譜上でのト音記号でドとソの位置、ヘ音記号でドとファの位置を勉強した。親御さんは家で練習を見てはいないみたいで、前の週に学んだことが全く身についていなくて、何度も何度も同じことをレッスンで繰り返した。

 

ようやく、この三つの鍵盤(ファ、ド、ソ)を使った練習曲は弾けるようになった。しかし、その先が全く進まない。譜面の五線について説明、私が作った教材を見ながら、五線譜のどこに音符があるのかで違う音を指すので、それに沿った鍵盤を弾くのだということを説明する。しかし、それが理解できていないようだ。

 

ト音記号のレの音を指して、この音は何かな?と聞くと、ソとかドとか言う答えが返ってくる。ソは下から二番目の線の上に音符があるけど、これ(レ)は違うところにあるよね。ドには短い横線が入っているけど、これ(レ)にはないよね。などと教えるけど、それが全く理解できていない。他の音も同じくで、音符表と目の前にある楽譜の音符を比べて位置を確認することができない。

 

なぜ分からないのかが、分からないので、どうやってアプローチを変えたらよいのかで悩んでいる。次回は二人で五線譜を書くところから始めて、自分で音符を書き写すところからやってみようと思っているけれど、効果があるかどうかは不安。