私がピアノのレッスンを取り始めたのは4歳の時だった。といっても、何をしたのかは全く記憶にない。子供のころに習い事として、ピアノや楽器のレッスンをしていたという日本人の話を聞くと4歳はそんなに早いという印象を受けないけど、アメリカではピアノやそのほかの楽器のレッスンをするのはもっと遅くて、9歳とか10歳とかからの子供が多い。でも、音楽に触れあう情操教育は早いころからやったほうが良いと思っている親御さんもいて(アジア系の人が多い)三歳とか四歳からレッスンを考えているという方がたまにいらっしゃる。
アメリカ人のピアノの先生たちは、三~四歳くらいはまだ幼すぎるので、生徒として受け入れませんという人も多いらしいけれど、私の教室では最低年齢は設定していない。その代わりに「○○ができること」という条件をウェブで公開している。また、最近はまだピアノのレッスンにちょっと早い子供向けにプリレッスンをしようとカリキュラムを考えているので、条件自体ももっと緩くなっている。
先日、4歳児のお母さんからピアノのレッスンを考えていると連絡があった。子供のピアノに対する興味や能力などはお母さんとのやり取りだけではわからないのでアセスメントに来てもらった。(音名に使う)アルファベットがわかるか、数が数えられるか、リズム感や音感などをアセス(メント)してみると、音符を読んで、音符に従ってピアノを弾くというピアノのレッスンをするのにはちょっと早そうだと判断した。
お母さんにその旨つたえ、ピアノレッスンではなくてプリレッスンから始めるべきではと提案すると、お母さんご自身も4~6歳まではプリレッスンをしていて、小学校に上がって、初めて本格的なピアノのレッスンをしたから、とプリレッスンの方針については同意をしてくれた。
新しい生徒さんには悪いけれど、この子とのレッスンを4歳児のプリレッスンのカリキュラムを作る基礎にさせてもらおうと思っていて、とりあえず、第一回と第二回のレッスンプランを立ってて、初めてのプリレッスンに臨んだ。
しかし、プランのほとんどを消化できなかった。
アセスメント時にお母さんが「これから、Mao先生のところに遊びに来ましょうね」と言っていたし、私自身も、私が無理やりいろいろなことをやらせるのは嫌だったので、子供が興味が示すものから今回予定したカリキュラムの内容にもっていこうと思っていた。でも、興味を示すものがころころ変わり、あっちに行ったり、こっちに行ったり、そして、そのたびに興味を示すものが変わる。四歳児ってこんなに落ち着きがないのかと驚いた。20分のレッスンだったのだけど、プリレッスンというより、ただのベビーシッターになってしまった気がした。
でも、この子は聞き分けの悪い子ではないようで、今日は○○をやりますよといえば従う気がする。次回のレッスンでは、ここは好き勝手に遊ぶところではなくて、音楽に関した遊びをするところで、ちゃんと指示に従う(多分、先生の指示に従って何かをするということも学ばないといけないと思う)ところなんだよとわからせるところから始めないといけないようだ。