スタインウェイピアノでは Teacher's Program つまり、ピアノ教師プログラムというのもがある。基本的にはスタインウェイの方で、ピアノの先生たちと密にコンタクトを取っていけば、お客さんを紹介してくれるだろうというものだけど、教師側にもメリットがあって、このプログラミに加わると、スタインウェイのウェブサイトで閲覧できる教師リストに載せてもらえて、発表会にはスタインウェイの(お店に隣接されている小さい)リサイタルホールを無料で借りることが出来る。
 
元々、このプログラムに加わりたいと思っていたのだけど、長いこと登録が進まなかった。地元のお店の店員さんは凄くたかぴしゃで評判が悪くて、地元の先生とのつながりなどは軽視していたようで、問い合わせにも全く返事がなかった。それが、今年の初めに新しい人が働き始めたらしく、その方から連絡があり、少々前に登録をすますことが出来た。
 
登録してあると、ピアノのセールのお知らせとか、スタインウェイが催している、プロによるミニコンサートや、マスタークラスなどのお知らせが来る。そして、少々前に、地域のピアノの先生方にSpiro(自動演奏システム付きスタインウェイ)に関してのモニターになってほしいとの依頼が来た。一時間くらいお店でSpiroを弾いて、感想などを教えてほしいというもので、報酬はないけれど、参加した先生方はニューヨークのスタインウェイ工場の見学にご招待旅行(旅費、宿泊費込み)の抽選に応募できるという。ほぼ当たる確率はないけど、Spiroも弾いてみたかったし、新しい店員さんとは実際にお会いしたことがなかったので、顔合わせという意味でもよさそうだと、モニター体験に行ってきた。
 
このモニターでは、主にSpiroの自動演奏、録音機能について使い勝手などが知りたいそうだ。自動演奏では、あらかじめスタインウェイのスタジオでプロのピアニスト(日本人だと角野隼斗さんがいた)が録音したデータをクラウドからダウンロードして自分のSpiroで再生できる。他にも、オンラインセッションみたいな形で、ミニコンサートやマスタークラスに参加できる。そちらの機能は説明を受けただけで、あまり使用しなかった。
 
でも、録音機能は色々試して使いやすさなどについて評価が欲しいということなので使い方の説明を少々受けてから、早速自分で操作を始める。
 
曲を弾いて録音すると、付属のタブレットに、どの鍵盤をいつ弾いていたのかという表示がでる。
 

 

この写真はバッハのフランス組曲をひいたものを録音したもの。ペダルの機能も使いたかったので、普段の練習ではペダルを入れないけど、ペダルを使ってみた。ペダルを踏んでいる長さやペダルの踏み込み具合が可視化される。

 

録音をした後は、音符を長くしたり、短くしたり、強弱を変えたり、はたまた新しい音符を書き込むことを出来る。ペダルも踏み込み具合を変えたりすることが出来る。手を加えた録音は聞き直して保存することが出来る。「聞き直す」時は鍵盤、ペダル機能が動いてピアノの自動演奏で再生される。データをほかのSpiroに送ってそちらで再生するということも出来るそうだ。

 

私も、自分の演奏と手を加えたもののビフォーアフターの録音を撮って、それを音声ファイルにしてもらったのだけど、どうやったらダウンロードして、こちらにアプロードが出来るかわからないので残念ながら、ここに載せられない。

 

機能が色々あり、新し「おもちゃ」で遊ぶ感覚でとても楽しかった。鍵盤やペダルの動きが可視化できるのも、とても良いと思った。でも、お値段がすごい。Spiroは再生機能だけのものとと録音機能も付いたものの二種類があるそうで、再生機能だけだと、普通のスタインウェイに200万円増し、録音機能が付くと、その上に200万円増しだそうだ。このお値段だとわざわざ機能をつける価値はないかなというのが私の個人的な結論だった。