私が子供の頃にやらされていた習い事はピアノとバレエだった。実家は田舎で私が子供の頃の習い事といえば、お習字とそろばんだった。田舎者にありがちな西洋へのあこがれも強かったし、「ピアノとバレエをやっている女の子はいいところのお嬢さん」みたいなイメージがあり、見栄っ張りの母が「家の娘たちはピアノとバレエを習っている(ンザンス、ホ、ホ、ホ)」みたいなことを言いたかったのだと思う。
 
私はピアノもバレエも好きではなく、皆と同じお習字とそろばん教室に行きたいといっても却下された。バレエはトウシューズにチュチュのクラッシックバレエではなく、モダンバレエというものをやらされており、同じバレエならクラシックが習いたかったのだけど、その願いもかなわなかった。しかし、バレエより習いたかったのが日本舞踊と社交ダンスだった。
 
大人になってから日本舞踊のお稽古には何年か通った。やめてしまった理由は覚えていないのだけど、すごくお金が掛かったという憶えがある。お稽古自体はそんなに悪くないのだけど、発表会に出ようとすると、その当時で10~15万円くらいかかった。そんな金額をたった2~3分踊るためだけに払うのは馬鹿々々しく、発表会に出ないとなると、モチベーションもグンと下がった覚えがある。
 
そして、10年ほど前に始めたのが社交ダンスだった。こちらもレッスン費用は高いし、大会(コンペティション)に出ようとすると結構な出費になる(けれども日本舞踊ほどではない)。コンペティションの出場は馬鹿々々しいのでやめたけど、レッスンの方は何年か続いた。その頃は、経済的、時間的に余裕が出来ていたのが続けられた要因の一つだと思う。しかし、その後引っ越しなどがあり、レッスンには通えなくなってしまった。社交ダンスはお金の掛かる、マイナーな習い事なので、スタジオもあまりない。しかし、中南米系住民の多い南カリフォルニアはサルサクラブみたいのは結構あり、10ドル(1500円弱)で45分くらいのグループレッスンとその後3~4時間のフリーダンスタイムみたいのに参加できる。その上、参加する人は男性が大部分で女性が一人で行くと引っ張りだこになり、いつも3時間は休憩なし(曲間に水分補充はする)で踊りまくっていた。
 
しかし、コロナになりダンスクラブは全てシャットダウン。コロナ規制が緩くなってきた時は、クラブも再開したけれどマスク着用で踊りずらいだろうし、不特定多数の人と踊る私(3時間くらいあるとクラブに来ている男性ほとんどと一曲づつ踊れる)にとってはマスクをしていても感染リスクは高いと思われたので躊躇していた。最近は、ほぼコロナ前の日常に戻ったので、フリーダンスタイムの時間などを確認しようとネット検索をかけたら、家から車で15分ほどの所に社交ダンスのスタジオがあることを発見した。
 
サルサクラブだと踊る曲はラテンダンスと呼ばれる、サルサ、バチャチャ、たまにメレンゲくらいなのだけど、社交ダンススタジオなら、優雅にワルツを踊ったり、かっこよくタンゴを踊ったりも出来る。一人10ドルで45分のグループレッスンとフリーダンスタイムに参加出来るというので、さっそく偵察に行った。
 
グループレッスンでは久々のステップの復習をして、フリーダンスでもガンガン踊った。ただ、参加者が比較的少なく、フリーダンスタイムも一時間半くらいしかなくて物足りないと思った。でも、心はそう思っても体はそう思わなかったみたいで、家に帰ってきたら、ふくらはぎのあたりはパンパンだし、腕の上腕の外というか下というか(腕で踊るためのフレームを作ると普段使っていないその辺りの筋肉をよく使う)も筋肉痛になっていた。
 

 

こちらは前から使っているダンスシューズ。足首の辺りにぐるりと巻き付けて留めるのだけど、踊っていなかった3年ほどの間に足が太くなっていたようで、留め具の位置を変えてないといけなかったのショックだった。