アメリカの学校では音楽は選択で、小学校では中、高学年になるまでやらないらしい。日本みたいに皆で歌を歌ったり、お遊戯会とかもないようで、音痴な人(子供)の割合が高いような気がする。そして、在米日本人は大体似たような印象を持っている。

 

私のピアノレッスンではソルフェージュと言うか、簡単な曲をドレミで歌わせることが多い。この課題の目的は二つで、一つは音符と音名が一致しているかどうか(楽譜が読めているか)の確認。そして二つ目は歌って耳で聞いていれば、間違えた音を弾いたとき「あれ?違う」と思ってくれるのではという期待がある。

 

でも、大体の子がドレミで歌うというより、ドレミで読むという感じ。正しい音名を言っているのだけど、音程やリズムが全くつかない。私自身は、ピアノの楽譜をドレミで「歌う」と言うことを教わっていたし、ドレミで楽譜を読むときは、自然に「歌って」しまうので、どうやったら「ドレミ読み」が出来るのか不思議な位。生徒のお母さんで日本人の方がいるのだけど、その方もアメリカ人が「ドレミ、、、」とバラバラの音程(例えばレがドより低い音程で、ミが急激に高い音になる等)で歌える人が不思議でたまらないという。まあ、日本語でドレミと言えばほぼ音名に限定されるから、付随した音程も一緒に覚えるけど、英語はC,D,Eと日常に使用するアルファベットだから、C,D,Eには音程があるものと言う認識もないのかもしれない。

 

家のお教室でレッスンを初めて半年ほどになるアメリカ人のAちゃんとも、今まで何曲もピアノを弾く前に歌ってみるという課題をやっている。でも、Aちゃんは「歌ってみようか?」と言っても「読んで」しまう。私が音程を付けて一緒に歌うと、音程とリズムをまねして、ちゃんと歌えるのだけど、一人になると途端に「朗読」に戻ってしまう。あれもこれもと注意し続けるのは嫌なので、朗読でも特に注意はしてこなかったので、朗読が普通なんだろうと思っていた。

 

それが最近になって、偶に一人でも「歌える」ようになってきた。前々回のレッスンで一人で「歌ってみて?」というとちゃんと音程が付いていた。その日は何曲か歌ったけれど、その一曲以外は朗読だった。そして、前回のレッスンでも、殆どは朗読してしまうのだけど、一曲一人で初めから音程を付けて歌っていた。これから、「歌う」のが普通になってくれれば良いなと思っている。