『聖戦士ダンバイン』の放送が始まって、早いモノで、本日で丁度40年となります。
当時の私は、この『ダンバイン』の放送は毎週観てはいたのですが（仙台では裏番組はプロレスだったんで、同級生のDQNなヤツが「ダンバインなんか観てないでプロレス観ろ」だと…余計なお世話だ!!）、キットの方は一個たりとも買っていませんでした。オーラバトラーのデザインに魅力を感じていなかったワケでは無かったのですが、何分にも、当時出ていたキットは寸詰まりでカッコ悪くって、購買意欲をそそられなかったモンでして…。
例のガンプラを買いまくっていた従弟も、さすがにこのオーラバトラーのキットまでは買ってませんでしたし。それに、当時の貧しい私は、MSVや、少し後の『バイファム』で手一杯でしたからねぇ。
もっとも、当時の技術ではオーラバトラーの三次曲面を立体化するのは困難だったようで、キットの評価はバストール等ごく一部を除いて散々で、模型誌の作例では、全身を切り刻まれた上に、原型を留めない程にパテで形状を変更される改造を施されてばかりでした。
スポンサーだったクローバーのトイも不評で、放送期間中に倒産の憂き目に遭ってしまいました…。
キャラクターでは、主人公のショウ・ザマの顎に「×」が付いていたのが、当時から謎でした。
後のOVA版で転生した姿であるシオン・ザバの顎にも×が…（笑）。
それに、漢字表記は長い間「座間 翔」かと思ってたのですが、ホントは吉祥寺の「祥」だったんですってね。紛らわしい…。
女性キャラでは、放映前のキービジュアルでショウと並んで立っていたんでヒロインかと思われていたリムル・ルフトがちょっとイイかな、と思っていたのですが（後年のOVAでは、レムル・ジルフィードとして転生してホントにヒロインに…）、私としては、中盤から登場したナの国の女王シーラ・ラパーナ姫が一番ですね、やっぱり。出渕氏もデザイナーの本分を忘れてこのシーラ姫の作画をやりまくっていたそうですし、モデラーの星野利章氏もベタ惚れでしたし、そしてロマンアルバムの表紙を飾ったのも、このシーラ姫でしたし。
一方、正ヒロイン（?）のマーベル・フローズンはというと…、
何だか名前通りのアメコミのヒロインみたいでやたらバタ臭くって、性格的にも富野アニメ恒例の強気な女性で（こうした富野アニメの強気なヒロインは、富野氏が若い頃に付き合ってた「チョキ」という女性がモデルとなってるそうです）、何か苦手でした…。湖川キャラだけあって、『イデオン』にバッフ・クラン側のキャラとして出演していても、何ら違和感は無さそうです。
そして後半から登場した新主役オーラバトラーのビルバインは、
ウイング・キャリバーへの変形機構を有していたりして確かにカッコは良かったのですが（↑この開田裕治氏による1/48キットのボックスアートなんか最高!）、この『ダンバイン』という作品の迷走振り（異世界「バイストン・ウェル」を舞台とした物語だったのが、後半からは地上界、つまり現実世界に…）の象徴とも言うべき派手派手なカラーリングで（スタッフもさすがにやり過ぎだったと自覚していたのか、最終決戦では青系の迷彩塗装になるのですが）、手にオーラソードライフルを持っていたり、背部にはオーラキャノンを2門搭載していたりと、いかにもなテコ入れ感は拭えない、従来のオーラバトラーとは一線を画する、異質なデザインでもありました…。
そして、収拾の付かなくなったストーリーを強引にリセットさせる為の、これまた富野アニメ恒例の全滅エンド…。前年の『イデオン 発動編』と相まって、これで「皆殺しの富野」の名は不動の物となりました。しかし、その富野氏は、この「バイストン・ウェル」という世界観によっぽど思い入れがあったのか、後に『リーンの翼』や『オーラバトラー戦記』といった、『ダンバイン』の外伝作品を多数手掛ける事になるのでした…。
ところが、この『ダンバイン』、21世紀の今日では、どういうワケか、「異世界転生物」の走りとして再評価を受けていたりします。もっとも、ショウは「転生」してバイストン・ウェルに来たワケではありませんし（先述のようにOVA版で転生はしますが）、「なろう」みたいに主人公が無双するって展開でもありませんが…。
ちなみに、知る人ぞ知る秋田大学アニメーション製作研究会製作『農耕士コンバイン』のOP「コンバイン耕す」の、
歌詞のフルVer.が、最近になってつべにUPされています。
「♪袋に詰めて 届けを出せば」とか、替え歌の歌詞がいちいち上手い（笑）。
…ところで、この『ダンバイン』ってタイトルは「バンダイ」のアナグラムで、「ビルバイン」はそのバンダイが自社ビルを建てた事にちなんだネーミングだった、って話は、ホントだったんでしょうか!?