映画 『日本のいちばん長い日』 | 北池袋の「本町まんぞく介護」ケアプランセンターまんぞく。ケアマネのブログ

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本日、終戦記念日。

70年前、玉音放送に至るまでに何があったのか。日本映画において天皇がここまで中心的な登場人物として描かれたことにより、映画として非常にエキサイティングな物語になっていると感想です。


話変わって


小説 『太陽の子』(灰谷健次郎 箸)    

戦中、沖縄戦に巻き込まれた島民である父親、主人公である小6の女の子と母親の一家が戦後、神戸で営む琉球料理屋に集う面々の物語は、今でいうところのPTSDにより心の病気を患ってしまった父を家族や仲間がなんとか救えないかと苦悩する話です。


(以下、抜粋)


~「ぼくは医者じゃないから、くわしいことは知らないが、心の病気というのは、わからないことが多いんやそうや。わからないことが多いというより、わからないことばかりらしい。症状がどうして出てくるのか、からだのどこが異常なのか、見分け方も治療法もわからないことずくめということや」 

 ふうちゃんは梶山先生の話を真剣にきいた。 

「だけどな、ふうちゃん、ぼくはそのことを悲観的に考えているわけやないんやぞ。医者がきいたらめちゃくちゃというかも知れんけど、心の病気は心で治せると思うんや。そう信じてるんや。」~



~心の病んでいるものが、他人に危害を加えたり、犯罪をおかすというのは、あんたたちの偏見じゃよ。沖縄の島々ではな、心の病人はみんなで大事にした。こんな監獄みたいなところに隔離して、じゃまものあつかいにはせなんだ。心の病んでいる者ほど、人の心が必要なんじゃ。直夫をここから出さんのなら出さんでもええ。そのかわり、わしもここで寝起きをさせてもらう。

 オジやんはそういって、一歩もひかなかったという。~






「太陽の子」が世に出版されたのは昭和53年。あの頃と今、専門職はどれほど関わりを変えてこれたろうか、私は邪魔者扱いしてこなかっただろうか。


戦争の史実だけではなく、心の傷を負ったものと家族、先生と生徒、小説に描かれている人物のなんとも美しい心。学びの多い作品です。


中島