ときたま、モラ夫のことが大好き❤となる奇妙な生き物が現れる。


今回は、ヒキガエル


どうやら家の外燈に集まる虫を食べているようで、夜な夜な外で焚き火をしているモラ夫の存在に慣れてしまったらしい。

モラ夫がウロウロしていると、ひょこひょこ姿を現すようになった。

モラ夫は見かけると「よう」と挨拶をしつつ、間違って踏まないように気をつけていたそうだ。


そんなある日の昼間、

「ヒャーッ❗️かーちゃん、来てーっ❗️すぐ来てーっ❗️」

というモラ夫の叫び声が森に轟いた。


なんだなんだと外に出てみると…





なんとモラ夫ラブなヒキガエルがヤマカガシに呑み込まれようとしているところだった。


ヒキガエルは片足をヤマカガシに呑まれつつ、バタバタと暴れてなんとかヤマカガシから逃れようとしていた。


この衝撃的なシーンを見て、私は悩んだ。

もちろんヒキガエルは可哀想だが、これも自然の摂理。ヤマカガシも生きていかなくてはならない…

可哀想だが、このままにしておくのがベストなのだろうな…




が、モラ夫は違った。

反射的にヤマカガシを足で踏みつけたのである。

ヤマカガシは毒を持っているものの、従来おとなしいので、よっぽどのことがなければ猛烈な反撃はしてこない。

(というか、モラ夫は踏みつけたときまでアオダイショウだと思っていたらしい。)


驚いたヤマカガシは、咄嗟に咥えていたヒキガエルの足を離し、スルスルと草むらの中に逃げていった。


ヒキガエルは噛まれた足から血を流していたので、ジョウロで水をかけて洗ってやった。

しばらくすると少しずつ歩き始めたのだが、これが、モラ夫のいる方へいる方へと寄ってくるのである。


このままだと玄関の中にまで追いかけて来そうな勢いだったので、困ったモラ夫はそのへんにほっぽらかしてあった、とある空き箱をヒキガエルの前に置いた。


それがコレ



…鬼ころしかよ…


だが、ヒキガエルは迷うことなくモラ夫が正面に置いた「鬼ころし」の空箱に入っていった。


(下にヒキガエルの写真が出ます。爬虫類が苦手なかたは閲覧注意です。)


とりあえず「鬼ころし」の空箱でヒキガエルの隠れ家を用意したところで、以前ヒキガエルが隠れ家としていた板の裏側の隙間を確認してみたら、なんとヤマカガシがとぐろを巻いて、ヒキガエルのご帰還を待っていた。


モラ夫は果敢にヤマカガシに挑み、なんとかトングで掴んで道向こうの草むらに逃がしに行った。


以来、ヒキガエルは草むらの中で「鬼ころし」の箱を住処とし、毎朝私たちから生存確認を受けている。

ときにはモラ夫からコガネムシの幼虫やミミズなどを恵んでもらっているようだ。


そして、とうとう「ヤマちゃん」という名前まて授けられてしまった。


ふと、ヤマちゃんはヤマカガシの毒は大丈夫だったのだろうかと疑問に思う。

ヤマカガシはヒキガエルの持つ毒を体内に取り込んで自らの毒にするらしいので、ヒキガエルがヤマカガシに噛まれても免疫があるから大丈夫いうことなのだろうか。


ググってみたところ、蛇もカエルも家の庭に住み着くと縁起が良いとされているらしい。

いや、森ですから蛇もカエルもいて当然なんですけどね…。


命拾いしたヤマちゃんが、大きな金運を運んできてくれたらいいなー。


そんな下心を持ちながら、今日も私は「鬼ころし」の箱を覗く。