極寒の中の温かい話 | 人生の酸いも甘いも噛みしめてしみじみ語る夕暮れのカフェ

人生の酸いも甘いも噛みしめてしみじみ語る夕暮れのカフェ

波風の多かった人生もようやく穏やかになりつつあります。そんな来し方を振り返りながら、暮れていく日々が少しでも豊かになるように、ささやかな日常を綴ります。カフェの片隅で、人生の大波小波、喜怒哀楽、人情の機微など語りませんか。時には毒も吐きましょう。

陽が射してきました。

 

 

と言っても、ほんのひと時で、また数日後には極寒の日がやってきそうです。

 

 

池もまだ全面凍結状態。

 

 

 

 

 

氷の下で、金魚さんたちはさぞ寒かろう。

 

 

 

 

 

10年くらい前、これよりももっとぶ厚い氷が何日間も張り続けたことがありました。

 

 

全滅も覚悟しましたが、1週間後くらいに氷が解けたら、何事もなかったように全員がスイスイと泳いでいましたっけ。

 

 

 

なんだか寒い話ばかりで気が滅入るわ。

 

 

 

何か良い話はないかな。

 

 

 

そういえば、亡き母から聞いた話を思い出しました。

 

 

 

 

 

 

何十年か前、今ほど予報技術が進んでいなかった頃のことです。

 

 

 

大雪が降るという予報は出ていなかったのに、冬の初めにいきなりドカンと降ったことがあったそうです。

 

 

皆さん、そんなに降るとは思わず、油断していたので大慌て。

 

 

 

 

母の知り合いのA子さんは、職場が早上がりになった。

 

 

そうしないと、雪に埋もれて帰れなくなる。

 

 

そこでA子さんは、市内の別の会社に勤めているだんな様に電話をした。

 

 

そしたら、同僚の人に

 

 

「すでに帰りましたよ」

 

 

と言われて、頭から湯気が出るほどカッカ。

 

 

「こんな大変な時に、自分だけ先に帰るなんて!」

 

 

と、怒り心頭で、自分の車が止めてあるところに行くと・・・

 

 

 

防寒具に身を固めただんな様が、雪に埋もれたA子さんの車を掘り出している最中だった。

 

 

 

 

 

だんな様は一度帰宅し、防寒具と雪靴、スコップ、スノーダンプと、大雪の時に必要なものを取りに帰った。

 

 

そして、奥さんの車を掘り出しに来たんですね。

 

 

 

 

 

お二人は、勤務先、勤務時間がそれぞれ違うので、二人とも車が必要なんです。

 

 

 

携帯電話がそれほど普及していなかった頃の、ちょっと温かい話。