私は
殺人未遂を犯したのだ。
今でも鮮明に思い出す
あの日のこと。
気が狂ってしまいそうだ。
いっそ
本当に狂ってしまえたら楽なのかもしれない。
私はまだ
この日のことを
過去のことにはできていない。
「今子どもたちが元気ならそれでいい」
とも思えない。
飛び交う無線の音
何台ものパトカー
パトカーの中での事情徴収
泣き腫らした元夫の顔
離婚を突きつけられたこと
痛みだけは
ずっと続いていくんだろうか
つらい
つらすぎて
苦しすぎて
消えてしまいたくなる
でも
私が消えたところで
過去は変わらない
「私は息子を殺しかけた」
その事実は変わらない