今、木星と土星が近い
超最接近は12月21日らしい
昨夜の三日月とのランデブーは神秘的な光景だった
今日から、月と木星は離れていくけれど、日没直後の西の空にはしばらくは注目!
月や星を観ることは私の趣味の一つだけど・・・
タイトルの「ディスタンクシオン」はフランスにおける文化(=趣味)と社会階級について書かれた本で
趣味を闘いととらえている
NHK『100分で名著』で紹介されていて興味深かったので備忘録として書いておこうと思う
著者はブルデュー、この本は20世紀の最も重要な社会学書10冊に選ばれているそうだ
自分では手に取る機会のないマニアックな本との橋渡しをしてくれるこのような番組は非常にありがたい
難解な学術書と思われるが、身近な話で例えてくれてるのでとてもわかりやすかった
趣味における動機は誰かと勝つためだと著者は述べており
そこには闘争が伴う
例えば、沢山の音楽から自分が良いと思うものを判断するには
必ず他者の否定や他者と差をつけたいという動機が含まれるとのこと
つまり、好き嫌いの判断は、自分のハビトゥスの優位性を押し付けることらしい
※ハビトゥスとは人々に刻まれた傾向性のことでイラストでは眼鏡で表現されており
例えば、3つ前の記事に書いた「ルノワールは裕福なブルジョワジーに好まれ、マネやゴヤは文化人に好まれる」という傾向性がハビトゥス
私は優位性を押しつけようと思ったことなど無いが、押しのすばらしさなら、ずっと語っていられるぞ
以下は本文からの引用
「趣味が自分を正当化しなければならないときに、まったくネガティブな仕方で、つまり
他の様々な趣味に対して拒否をつきつけるというかたちで自らを肯定するのは偶然ではない」
とある
ネガティブな方法で拒否するというのは私は好きではないんだけど・・・
また、
何かを好きになるとは、「界」において特定のポジションを獲得した対象を好きになることで
「界」とは例えば、芸能界、歌舞伎界、映画界・・・という類のもの
その対象に詳しくなることは、対象が属する「界」全体の構成や歴史に詳しくなること
それは思い当たる
つまり
ある作品を理解しようとすることは、好きな対象が属する「界」全体を理解することにつながり
同時に、「界」に対する最低限の理解がなければ、個々の作品を理解することはできない
全体を理解しているからこそ、個を理解できるのだそうだ
闘争の場の「界」と聞いて、思い浮かべた「界」はたくさんあるけど、スケート界もそのひとつ
でも、ファン同士の闘争があるとしたらとても嫌だなぁ
思うところもあるが、それは心の中だけに留めておく
そして、いろいろ考えさせられることもあるけど、「ディスタンクシオン」が社会学の名著で
社会学というものが社会問題を研究する学問だということをふまえれば、理解もできるのかなと思った
司会の伊集院さんの進行もゲストの先生の解説もわかりやすかった
NHKさん、ありがとうございます