12月に入ると、NZでは夏になりますが、そのまんま、ダニーデンは昨日から夏です。エルニーニョとかで、今年の夏は暑くなると予想されていた通りの暑さで、少し外を歩いただけで汗が吹き出るよう。日本の夏みたい。反対に日本は寒いのでは?

 2009年からローカーブ生活を送っている我が家ですが、ローカーブに伴うケトン体産生については、丁度時を同じくして研究が発表され、注目されるようになってきました。
 そこで言われるのは、ブドウ糖メインの代謝がケトン体メインに変わることで、様々なメリットが得られることです。
 曰く、肥満の解消、運動パフォーマンスの向上、また治療食として、てんかんやがん治療に効果が見られています。中にはケトン体メインの代謝こそ本来の人の代謝であるという説もあります。

 この代謝の変更に2、3日掛かります。なので、AかBのどちらかみたいな捉え方をしていました。

 またケトン体の研究の第1人者のDr,Volekのインタビュウーで、
FDAが推奨する糖質の摂取が1日130g(糖新生に頼らずに満たされるブロウ糖)とされていることについて、実際には
糖新生に頼らずにいくためには、130gでは足りず(最低180gは必要)、そして130gも摂ればケトン体は産生されず、両方足りないという損なグレーゾーンに陥ってしまうというようなことを話してしたのが、とても印象に残っています。
 しかし、水溶性食物繊維が腸内細菌で発酵され、酢酸や酪酸というエネルギーが産生されることを考えると、Dr.Volekの懸念は、これを見落としているのではないでしょうか。130gの糖質を摂ると、その中には食物繊維もあり、それが発酵して足りないエネルギーは供給されるのではないか。

 そういうことを考えると、普通に健康な成人がそれを維持するには、無理に肝臓からケトン体を増やす必要はなく、大腸で産生する酪酸でも事足りのかも?

 しかしながら、現代の食生活では糖質は摂りすぎで、当然ある程度の制限は必要だし、血糖値も低めで安定的、インスリン分泌もなるべく少ない方が健康に良いのは間違いないです。だから一度ケトン代謝になっておき、普段はグレーゾーンあたりにいて、何かもっとエネルギーが必要になったら糖質を減らして、糖質の少ない食物繊維は摂って、脂肪を増やし、すぐにケトン代謝に変われるようにしておけば良いかなあと思います。

 胎児は出産時に母体から腸内細菌を受け継ぎ、少しずつ自分で酪酸など産生できるようになります。だから人は本来ずっとケトン代謝であるべきというのは無理があり、両方を時に寄って使い分けられ、どんな環境にも生き延びるようにできているのではないでしょうか。例えば動物の獲物が捕れなくても、植物の繊維からエネルギーが作れるように。

 だから断食にせよ、それを模したダイエット(ローカロリーでもローカーボ、ケトジェニックでも)を経験しておくと、代謝が簡単に変われるように道筋をつけておくことになって、健康に生きる上で大事なことに思えます。