昨日のエントリーでメトホルミンで乳酸が増えると書いているのですが、もう少し検索したら、増えていないという研究結果がありました。

 
メトホルミンがインスリン感受性を上げる機序は、最近になってわかった、この薬が運動で筋肉がブドウ糖を取り込むのと同じような働きをするからと言われています。だからメトホルミンで乳酸が増えるとあちこちで見ても、そういう意味でも増えるだろうと思っていたのです。

 たまたまこの腎臓内科医の先生のブログがヒットしました。

http://ameblo.jp/kuekue-kin6/entry-11268086477.html
 
 2年前のエントリーです。

 この先生が乳酸アシドーシスの患者さんに遭遇されたので、この関係を調べられました。患者さんはもともと腎症の進んだ方で、メトホルミンが禁忌なのに、服用されていたこと自体が間違っていたのです。でもメトホルミンで乳酸が増えると言われていることを<自分で調べてみよう>と思われたのでした。

 結果は<メトホルミンと血中乳酸値の上昇にエビデンスなし> 
 以下コピペ。
 
<結果>
347論文に含まれる メトホルミン群70,490人・年および非メトホルミン群55,451人・年において、致死的/非致死的な乳酸アシドーシスをきたした症例はなかった。
ポアソン分布を用いて解析した結果、真の発生率はメトホルミン群で4.3例/10万人・年、非メトホルミン群で5.4例/10万人・年であった。
基準値からの変化量および治療期間中の平均値のいずれにおいても、乳酸値に有意差はなかった。

<結論>
前向き観察コホート研究において、メトホルミンと 乳酸アシドーシスのリスクおよび血中乳酸値の上昇にエビデンスはなかった。

 コピペ終わり

 メトホルミンが禁忌なのは腎臓、肝臓に問題のある場合、多量の飲酒などです。また糖尿病の人は糖質制限でケトン値も上昇しすぎ(2とか3mM以上)はよろしくないと昨日写真に載せた本にも書かれています。我が家の人の場合1mMもあれば上等のスタンスです。またプールに行ったらジャグジーも利用するので、水分をたっぷり摂る様にお願いしています。こういうことさえ気をつけていればまず乳酸アシドーシスは起こらないことでしょう。