芸能生活55周年
舟木一夫コンサート2017
神奈川県民ホール
2017.6.19(月) 14:30 18:30
~・~・~・~・~・~・~ 【曲目】 ~・~・~・~・~・~・~・~
オープニング スタンディング
♪ 高校三年生 &サインボール投げ
♪ 銭形平次
♪ あゝ 青春の胸の血は ♪ 夏子の季節
♪ 修学旅行
♪ 仲間たち ♪ 初恋
♪ 君たちがいて僕がいた ♪ あゝ りんどうの花咲けど
♪ 友を送る歌 ♪ 夕笛
♪ 絶唱
♪ 水色の人
♪ ブルートランペット ♪ 花咲く乙女たち
♪ あいつと私 ♪ 東京は恋する
♪ 雨の中に消えて ♪ 北国の街
♪ くちなしのバラード ♪ 哀愁の夜
♪ たそがれの人 ♪ 高原のお嬢さん
♪ その人は昔のテーマ
♪ みんな旅人
♪ 春はまた君を彩る
アンコール
♪ 高校三年生
♪ 学園広場
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
(夜の部より)
清らかな青春 爽やかな青春
大きな夢があり
かぎりないよろこびがあった
はかない希みがあり つらい別れもあった
そんなときはいつも・・・・・・
母にも似た 優しい 目差しの
君たちがい そして 僕がいた
バイオレットのレーザー光線の中から、 太い黒ストライプの赤いジャケット、
タキシード姿の舟木さんが浮かび出る。
オープニング
♪ 高校三年生
聴きなれたイントロとともに、いきなり盛大な手拍子が起こる。 しばらくして小さくは
なるが、やはり手拍子は続いていく。 ” 今年は 「高校三年生」を、元の空に戻して
やりたい ” といわれる舟木さんのお気持ちよりも先に、弾む気持ちが抑えられない
といった会場の皆さんの熱さのほうがまさっていく感じだ。 55年の時空を越えて、
このイントロで、この曲で手拍子を打てる嬉しさ。 一瞬のうちに、宝物となっている
それぞれの舟木ワールドの幕が開く。
足掛け55年が経とうとしているわけですが、さっきのテープを聴くと、まぁ、可愛いというか、、
~ 清らかな青春 爽やかな青春 ~ ~~~ (少しおどけて)
今日はお暑いところお出で頂きまして、有り難うございました。 大体1時間45分くらい、何だ
かんだ、とりあえず、普段出てこられない歌を虫干ししたり、、、何はともあれ、そういう感じで
歌い続けていきますが、ワ~ワ~いいながら、どうぞごゆっくりお寛ぎください。
♪ あゝ 青春の胸の血は
♪ 修学旅行
♪ 仲間たち
♪ 君たちがいて僕がいた
♪ 友を送る歌
長くやっておりますと、曲数は増えていくんですが、僕は今の人のようにはCDは出さな
いタイプですから、、。 出したCDが、つまんなきゃしょうがないですよね。ステージで、
お客様の中にすっと入り込んでいく歌が出来れば、 出せばいいんじゃないかと思って
ます。
実際、今年の12月で73(右手の指で3をつくり、ヒラヒラさせる)になる歌い手に、単な
るラブソングを作っても、どっこいしょ という感じですし、そうかといって突然 、裕次郎
さんの ” 夜霧よ~~” そんな歌が出て来てもどこに入れればいいのか、ということに
なってきます。
何気なく歌って、何気なくお客様の中に入っていければ、それでいいじゃないか、と。
それでは、15も20もワンコーラスでいってもお客様が疲れるだけですから、 ここで
7~8曲、メドレーで置いてみました。 「高校三年生」がデビュー曲ですから、もう一つ
のデビュー曲です。
♪ 水色の人
♪ ブルートランペット ♪ あいつと私
♪ 雨の中に消えて ♪ くちなしのバラード ♪ たそがれの人 ♪ その人は昔のテーマ
♪ その人は昔 などを、普通の流行歌と一緒
にするのもどうかというのもありますが、 21の
とき、「心のステレオ」 ということで出させて頂き
ました。 本当に組曲は難しいですよ。
「その人は昔」「雪のものがたり」「日本の四季」
など、またステージ用に作って頂いたもの、
レコーディングしたもの、、若い頃、組曲をたくさんやらせて頂いて、有り難かったです。
今、全編 「その人は昔」 をやるとすると、体力的に
無理ですね。 あ、今、舟木一夫が歌っているな、と
いろいろ確認しながら聴くことはないでしょうが、なか
なか組曲は、全てお聴かせすることは出来ないです。
テーマだけ、お聴き頂きました。
さて、ここは暴れるところです。 歌い手と一緒に暴れて頂こうかと。自分だけ汗かい
ているのは、悔しいものですから。
スタンディング&サインボール投げ
♪ 銭形平次
♪ 夏子の季節
先ほどサインボールをキャッチなさった方は、
グッズ売り場で、夕べ私がサインしました色
紙をお受け取り下さい。
何だ、色紙か、、と言われそうですが、大体
歌い手のサインなんて読めないものです。
最初は読めるように書いていくんですよ。
そのうち、短い時間でたくさん書くように言わ
れまして、ぼくも経験がありますが、、。
横書きに書いていって、問題は一(夫)なん
ですね。 筆の勢いがなくならないので、二
本が三本になることがあります。
書いてる勢いの問題ですから、 どっちでも
いいんですが、 一本多くあったら得したと思
って下さい。
(2016.7.13 郡山コンサートで頂いた色紙)
僕らの世界は流れが急ですから、仕事のデコボコは気にする必要は無いんです。
それよりも気をつけなくちゃいけないのは、「現役感の喪失」 ということです。 それは
どういうことかというと、何百人、何千人のお客様を前にして、一人で持ちこたえられ
るかどうか、ということです。 1,000人お客様がいるとすると、2,000 の目の圧力が来
る。 単純に自分が熱を出す、あるいはお客様がこちらに熱を出す、、、、「現役感」と
いうことに、年は関係ないですね。
一転して、涼しい歌をお聴かせしようと思います。 抒情歌という言葉は、難しいこと
ではなく、どこか涼しげな曲ということでいいのではないでしょうか。
(ブルーグレーの地に黒ストライプ、色違いのジャケットにお着替え)
♪ 初恋
♪ あゝ りんどうの花咲けど
♪ 夕笛
(映画挿入歌の♪ 吉野木挽歌が流れて)
♪ 絶唱
こういうタイプの歌は、あんまり繋げてもアップテンポの歌が無いものですから、2~
3,4曲くらい続けるのが一番いいでしょうね。
確かに1時間40~50分のコンサートになりますと、タバコの
好きな方はちょっと吸いたくなりますよね。
私も、20代後半から50代後半までの約30年間、一日80本、
歌を書いていると120~130本くらい吸っていて、灰皿は山
盛り、自分でもそれがいやなものですから一つの部屋に7
~8個灰皿が置いてあったものです。
こういう話をすると、ヘビースモーカーの方は余計に吸いた
くなるでしょうね。
青春時代は、恋も仕事も、何もかもここから出発しますよね。
中学生の集団就職が盛んだった時代、僕も中学を出たら働
こうと思っていました。 でも、ちょっとしたきっかけ、出会いが
あって、55年こうしてきました。
上田成幸少年の衝撃的な音楽との出会い
中学一年生の成幸少年は、ある日ラジオから流れてきたハリー・
ベラフォンテの「マティルダ」を聴いた。 会場の盛り上がり、観客
↑ハリー・ベラフォンテ が一体化したコーラスの興奮と感動が、電流のように成幸少年の
(1959年カーネギーホール 背すじを熱く駆け抜けた。
ライブ盤LPのダイジェストCD) (参考:「怪傑!高校三年生」P25)
初めての恋、男と女が初めて正面から向き合うわけですから、寸法が分からない。
大抵、破裂して終わり、ということになります。 その頃の曲を並べてみました。
♪ 花咲く乙女たち
♪ 東京は恋する
♪ 北国の街
♪ 哀愁の夜 ♪ 高原のお嬢さん (黒タキシードにお着替え)
(七色のレーザー光線が回る)
つくづく作品に恵まれた歌い手だと思って、歌っています。
青年というには幼い、まだ少年という頃にデビューして、その間にいろいろなことが
ありましたよ。 お互い様に、、。 その頃の傷は、まず打っちゃっておいて、愛しいも
のになったり、自分の歩みの足跡になってみたりしています。
55年というと、私がものごころついてから自分の父親と過ごした年月は、せいぜい50
年くらいでしょう。 確かあのひとは64,5で亡くなっていますから、親よりも付き合い
が長くなったということです。
それもこれも、 ”流行歌 ” があったればこそ、でしょう。
歌い手も歌いましたが、お客様があればこそ、と思います。
いろいろ、ありましたね。 今は、もう残り時間のことを考えたら、みんなOK。
残り時間は、陽気に過ごしましょう。 何と言いますか、僕はいい時間を過ごさせて頂
いたなというのが実感です。 後は、お互いお体大切に、ということです。
自分の想いを乗せただけ、
♪ みんな旅人を、、。
♪ みんな旅人
♪ 春はまた君を彩る
(蝶ネクタイをはずして)
今日はこんなところで失礼致します。
急に暑くなって来ましたので、体調には
どうぞお気をつけて。
( 緞帳が下りてしまうところを、慌てて階段から駆け下りて止め、再び緞帳が上がっ
てアンコールへ )
アンコール
♪ 高校三年生
♪ 学園広場
どちらも、1番は舟木さんが客席にマイクを向けて会場のコーラスとなり、その後改め
て舟木さんが3コーラス歌われることとなる。
♪ 高校三年生 は、オープニングにも増して客席の手拍子熱く、
♪ 学園広場 最後の舟木さんの
ラ~ララ~ラ ラ~ララ~ラ ララララ~ラ ララララ~
ララララ~ ララララ~ ラ~ララ~ララ~
の、何と名残り惜しいこと。
デビュー曲で始まりデビュー曲で締めくくる、55周年コンサート。
少しも変わらない舟木さんの佇まいから、イタズラを仕掛ける子どもが覗き、音楽と
思いがけない出会いをした少年の日が覗く。
細やかな情感は、客席に座るひとりひとりの胸に届き、襞々にまでしみわたり、
やがてその瑞々しさに心地よく満たされていく。 それぞれの熱く密やかなときめき。
舟木さんが届けて下さる夢の時空間への傾斜は、ますます募っていく。
お疲れを見せない舟木さんに、早や足腰の心配が出てきた団塊の世代ということが
何とも悔しいが、梅雨空の下でも爽やかで満たされた想いの日々が、嬉しくもある。