大 浮 世 絵 展 ~ 江戸東京博物館 ~ ④ | 満天の星Lovelyのブログ

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60周年をあれほどに輝かせながら61周年へと繋げていかれた舟木さん、本当にお見事でした!
2023年もこれからもずっと、素晴らしい夢時間を頂けますように・・・。

                   大
 
                      ~ 江戸東京博物館 ~
 
                               ~ 4 ~
 
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                                           喜多川 歌麿 
 
       フランスの美術評論家エドモン・ド・ゴンクールによって青楼の画家と謳われた
         喜多川歌麿(1753頃~1806)は若き日に清長美人に習い、『画本虫撰(えほんむしえらみ)』
         で写実的な描写をきわめながら独自の画風を築き上げた。川勝派の役者絵で試みられ
         た大首絵を美人画に応用し、豪華な雲母摺(きらずり)を背景とした作品は評判となり、
         歌麿人気は急速に高まった。彼は女性たちの階層や性格の違いによる微妙な変化や
         しぐさの違いを見事に描き分けた。              (図録「大浮世絵展」P105)
 
 
        開期中の歌麿の展示作品は21点。そのうち10点が展示中だった。(1/30)
 
 
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         錦織歌麿形新模様(にしきおりうたまろがたしんもよう)  白打掛
             大判錦絵1枚    ベルリン国立アジア美術館
                  
            〔作品解説〕
 
            描く対象の素材の質感再現にこだわった歌麿は、3枚組の揃物「錦織歌麿形新模様
            では、衣文を表現する墨線を極力廃し、色面の組み合わせだけで女性の着衣の手触り
            間でも表現しようと試みた。
            本図は白い内掛を着て正装した吉原の花魁を描く。
            黄潰(きつぶ)しの地に、紅、草という暖色系の色面の組み合わせが目に柔らかく、流れる
            ような打掛のフォルムと相まって、優美な画面を形作っている。
            この揃物は題名の脇に歌麿による詞書(ことばがき)が書かれており、本図では、
           「予が筆料は鼻とともに高し。千金の太夫にくらぶれば、辻君は下直なるものと
           思ひ、安物を買こむ板元の鼻菱家をしめす」とあるなど、彼の強い自負を示すもの
           として知られている。
 
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    当時三美人 富本豊ひな(とみもと とよひな)
                   難波屋きた(なにわや きた)
            高島ひさ(たかしま ひさ
 
      大判錦絵 1枚   礫川浮世絵美術館    
 
       
    〔作品解説
    
     富本節の名取り芸者豊雛(とよひな) (上)
     浅草随身門(ずいしんもん)脇の水茶屋難波屋
     の娘おきた(向かって右)、
     両国薬研堀(やげんぼり)の煎餅屋高島屋の娘
     おひさ(左)
 
     という、当時江戸市中で評判の美女たちを、
     まるで釈迦三尊像のように配置している。
     3人の容貌は瓜実顔の歌麿風美人の枠内に
     あるが、目や鼻筋、口などの部分を微妙に
     描き分けることにより、端正ですっきりとした
     豊雛、切れ長の目でやや気が強そうなおきた、
     うぶな娘風のおひさ、というように、それぞれのもつ雰囲気の違いを描き分けることに成功
     している。歌麿美人画の革新性は、類型製を胸とする美人画の常識の中で、モデルとなった
     女性の個性表現を描き分けようとしたことにあるが、本図はその代表作の一つである。
 
     
        評判の江戸の美女たち三人は、当時の売れっ子アイドルであり、スター
     であった。この美人画は、さしずめ、吉永小百合さん、松原智恵子さん、
     和泉雅子さんが三人一緒に写った、とびきり豪華なプロマイドであったに
     違いない。
 
     花魁や芸者は大人の憧れ、大輪の華、、、茶屋の娘が江戸を歩けば・・
      
 
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         『 右衛門七節 』
       作詞: 西沢 爽             昭和39年11月
         作曲: 遠藤 実
 
       江戸の娘は  おしゃらく雀
         一目惚れじゃと またさわぐ
           あれは元禄 右衛門七若衆
           花の小袖が  アレサ 小袖が
           憎いじゃないか 
 
                                                                                      
                          
                                                               
 
                          (こちらは元禄なので時代は少々違うが、江戸のおしゃべり
                          娘たちが素敵な若衆が通るのを見て、キャーキャーさわい
                          でいる?)
                                  
 
          「大浮世絵展」が閉幕した直後、新聞にこんな記事が出た。
 
 
         歌麿傑作の肉筆「深川の雪」、66年ぶりに公開へ 
 
        江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿(?~1806年)の最晩年の傑作で長らく
          行方不明だった肉筆画「深川の雪」が発見され、66年ぶりに公開される。
          専門家は「浮世絵史において、この発見の意義は大きい」としている。
 
          「深川の雪」は縦1メートル99、横3メートル41で、浮世絵としては最大級の
          掛け軸。東京・深川の料亭を舞台に火鉢を囲んだり、遊んだりする遊女ら27
          人の姿が念入りな筆遣いで生き生きと描かれている。
          「品川の月」(米・フリーア美術館蔵)、「吉原の花」(米・ワズワース・アセーニ
          アム美術館蔵)とともに、歌麿の「雪月花」3部作として知られている。
          
          1948年に東京での展覧会で公開されたのを最後に行方が分からなくなって
          いたが、2年前に東京の美術商によって発見され、岡田美術館(神奈川県箱根
          町)が購入した。                   (2014.3.2    読売新聞)
 
 
 
           NHKテレビ 歴史ヒストリア 2014.3.5(水)でも取り上げられた。
         「名画の秘められた驚きの真実が明らかに
 
            浮世絵の専門家、岡田美術館館長の小林忠氏や歌麿研究で知ら
         れる奈良市の大和文華館館長浅野秀剛氏が出演。
         歌麿と栃木市との深い関係や、寛政の改革の取り締まり対象となり
         ながらも、気骨ある抵抗の姿勢を崩さなかった歌麿の晩年の解説
         があった。
 
 
         栃木と江戸の浮世絵師・歌麿の関係は実に興味深かった。
         地方都市とはいうものの、栃木の豪商善野家が江戸にも劣らぬ文
         化的環境を有し、歌麿を長期間滞在させることによって幕府の取締
         りから守り、画業を遂行させた。
         その御礼として歌麿は「深川の雪」を善野家に寄贈したということで
         あり、自分の人生を骨格あるものにしてくれた人々への「人間賛歌」
         ともいえる作品になっている、、というような内容であった。
 
         「品川の月」「吉原の花」は、すでにアメリカの美術館に所蔵されて
         いるため、栃木市では高精細複製画を作成し、「品川の月」は平成
         24年に、昨年10月には「吉原の花」の完成披露を行った。
         「深川の雪」については引き続き探していたため、栃木市観光協会
         のHPで栃木市教育委員会文化課が情報提供を呼びかけていた。
 
         今回、国内で発見され「市外流出」が判明した栃木市としては、
         複雑な心境だろうが、産経新聞(2014.3.4)によると、
 
          雪」の所在が確認されたが、歌麿の栃木市滞在が解明されたわけではない。
            過去の文献には「歌麿日記」の記載もある。未発掘の作品や伝承とともに、裏
            付け資料の掘り起しが待たれる。」
 
         ということである。
         ぜひとも栃木市や善野家と歌麿との関連を掘り起こし、かなりの
         気骨ある絵師であった”歌麿”を解明していってほしいものである。
         
 
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     「深川の雪」は、昨年秋、箱根・小涌園
     にオープンしたばかりの岡田美術館
     で、
 
    2014・4・4(金)~6・30(月)まで公開
    される。
     
 
 
      箱根には沢山の私設ミュージアムが
     あるが、またもう一つ楽しみが増えた
     といえる。
     
 
 
  
                                    
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        歌麿の肉筆美人画掛け軸3部作のうち、「品川の月」「吉原の桜」は、
      栃木市役所内において、この3月土日祝日、高精細複製画が展示
      されているようである。
 
                                
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        「画像」と「展示のお知らせ」
 
            
 
     「品川の月」の右上の欄間に掛けられている、有名な狂歌師
     四方赤良(よものあから)が「雪月花」を詠み込んだ狂歌は・・・
 
           てるの 鏡をぬいて 樽まくら
 
                            雪もこんこん も咲け咲け
 
 
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     それよりも馴染み深い「雪月花」は・・・
 
                                  (新橋演舞場2F食堂)