銀座シネパトス⑦ | 満天の星Lovelyのブログ

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60周年をあれほどに輝かせながら61周年へと繋げていかれた舟木さん、本当にお見事でした!
2023年もこれからもずっと、素晴らしい夢時間を頂けますように・・・。

              銀座シネパトス ⑦
 
 
         デビュー50周年記念 ともに歩んだ青春の一ページ
       スクリーンで観る 舟木一夫時代を彩ったヒロインたち  
 
          
                     「 哀 愁 の 夜 」
 
                     昭和41年3月公開 日活作品
                     監督: 西河 克己
                     出演:舟木一夫/和泉雅子/藤竜也/山本陽子
 
 
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        舟木さんが、「北国の街」で主演俳優として立派に役目を果たしてからちょうど1年。
        その間に、柳瀬観監督の「東京は恋する」と「高原のお嬢さん」を経ている舟木さんは、
        すでにもう、前髪はらりの舟木カットや詰襟学生服を卒業して弁護士志望の青年に、
        マコちゃんは社長令嬢ながら、大勢のスタッフを束ねアニメ事務所を持つ女性へと、
        それぞれすっかり大人になっている。 
        都会で生きる二人の恋愛を、「哀愁の夜」に乗せて西河監督が撮影された。
 
        木塚正彦(舟木さん)は、奇妙な偶然で再会した昔の友人(藤竜也)の無実の罪を
        晴らそうと奔走するのだが、その過程で、社長令嬢である操(マコちゃん)の父のことを
        知る。
                  勤め先の弁護士事務所の顧客でもある、操の父、宇月産業社長は汚職絡みの事件に
                  関係し、やがて司直の手の及ぶところとなる。
                  いつの間にか心通わせるようになった正彦と操であるが、弁護士志望の青年の愛する
        女性の父親は(旧友が無実の罪に陥れられた)事件の黒幕的存在であったという、運命
        の皮肉。
 
        無実の友人を救うために真実を追い求めた結果は、自分の愛する人にとって、 
                  こ の上なく残酷なものとなってしまった。 操から、大好きな父を奪ってしまった。
        もはや、二人の恋が実を結ぶことはない。
                                   
        傷心のマコちゃんは、舟木さんに手紙を残し、ひとりヨーロッパへと旅立つ。
        (このあたりからは、もうすっかり、操はマコちゃんに、正彦は舟木さんとして観てしまう)
         轟音とともに飛び立った飛行機の遠ざかる機体を、呆然と見送る舟木さん。
         羽田へ駆けつけるのが、一足遅かった!
                   マコちゃんも、最後まで舟木さんの姿を求めながらもタラップを登り、窓外になお彼の姿
                   を探し求めていた。
         二人とも、やはり別れの言葉は交わしたかっただろう、、。
                   想う心は決して変わらないことを、もう一度言葉にして伝えたかっただろうに、、。
 
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                                         (館内に展示してあった写真より)
 
        舟木さんとマコちゃんの結ばれることのない愛を、西河監督は哀しく描く。
       しかし仲の良かった旧友が、今や裏社会と関わりのある住人であったり好きな人の
               父親は汚職事件に関連していたり、盛り場の乱闘シーンが出てきたり、およそ主題歌
               の歌詞からはみ出たような 「哀愁の夜」 の背景である。
       ギャング映画の一面も見せて、日活らしいといえば日活らしいのだが。
 
       マコちゃんの描くテレビアニメがオバGなんて、最初は笑ってしまった。その頃はまだ
       ”べるばら”も”エカテリーナ”も劇画としては存在しなかったのか。
       こんな劇画なら、「哀愁の夜」の映画で、掛け値なし美人女優のマコちゃんに相応しい
       劇画と思われるのに。
 
       お互いの心が近づいていく素敵な星空の夜に、オバQが出てくるのは、何度見ても
               違和感があるが、芸術祭参加作品も撮影すれば、何でもありの娯楽作も撮影する
               西河監督だからと、ここは諦める。
       むしろ、主題歌の詩の情景そのままが、映像としてスクリーンに表現されているのが
               見事だと思う。
 
 
       弁護士志望の青年が、社長令嬢と知り合い、二人の愛を育てていくとき、、、
                                   降るような星空の夜に、、、
  
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                                           「 哀 愁 の 夜 」
                                            昭和41年2月 発売
           作詞: 古野 哲哉
           作曲: 戸塚 三博
 
 
   ♪ なんて素敵な夜だろう 
             星はきらめく瞳はうるむ
      ああ 君と行く 夜風の舗道(みち)
              いつかふたりの胸に  
      恋を育てた あの日の舗道(みち)よ 
 
     
                                                                   ♪   ~  ~  ~  ~
                                   ああ 街の灯は やさしくもえて
                                       何か誓いの言葉 交わしたいよな 
                                                    二人の夜よ 
 
 
        二人の愛を確かめながらも、お別れしなければならないとき、、
               飛び立った飛行機、あの人の面影を求めて、、、
 
                      ♪ たとえ別れは辛くとも 想うこころは 変わりはしない
                                         ~ ~ ~ ~
                            きみと歩いた路に ひとりたたずむ  哀愁の夜   
 
       
 
         トレンチコートの襟を立てて、夜のすずらん通りを歩くとき、、
                     愛する喜び、愛する人に巡り会った喜びが溢れ出てくる、、、。
     
                      ♪ あなたの 明るい笑顔を見れば
                             僕には 辛い何もない~ ~ ~  
 
                      ♪ ~ ~ ~
                         花を買おうか 花束を 
                               ああ 夢の東京すずらん通り
                               二人の夜の思い出に  fu muuu ~ ~ 
 
 
         三宅島の海岸でさくら貝を見つけたとき、あなたに、、、
                      ♪  美わしきさくら貝ひとつ  去りゆける君に捧げん
                                         ~ ~ ~                    
       
    
          舟木さんの曲の中で、いつも人気NO.1を争う「哀愁の夜」。
          引き裂かれる運命を受け入れた恋人たちの想いを乗せて、ラストシーンはコートの襟
                      を立てた舟木さんの後姿と、響き渡る口笛の夜景に変わっていった。
          「哀愁の夜」が更けていく、、。
 
 
        口笛が夜の透明な空気を震わせて、「哀愁の夜」が更けていくとき、、、
                                                             夜風の中に、愛しさ、哀しさが又しても溢れ出る。