秋もいよいよ本番といったところだが、時々まだ暑い日もある。

その日、私たちは避暑を求めて群馬県南牧村の奥へと分け入った。

県の天然記念物と名勝に指定されている名瀑「線ヶ滝」を鑑賞するためである。

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南牧川の支流である星尾川にある滝で、秩父層群の代表的な岩石であるチャートの断崖から殆んど一直線に流れ落ちるのである。

落差は35メートル。

もともとは一般的な滝と同じく幕状に流れ落ちていたらしいが、水流によって川床が雨樋のように削られて、まっすぐ線状に落ちるようになったのだとか。

間近で眺めるとやはり迫力が違いますねえ。


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この日は私たちの他に観光客は居なかったが、滝壺の下に行くための螺旋階段が設置されていた。

しかし、長年の風雨によってすっかり錆び付いており、仮に階段が壊れて怪我をしても周囲に人家がないため誰も助けに来ないだろうと考え、階段は諦めることにした。




一応、動画を撮って来たので御参考に。

滝の轟音を聞いているだけで、涼しくなったような気がする。

ところで、昔は「仙ヶ滝」と呼ばれていたらしい。
これには伝説があって、その昔この付近に「お仙」という絶世の美人がおったそうな。

周囲の羨望の的になっていたお仙であるが、嫁ぎ先では姑と折り合いが悪く、ある日、まともに髪が結えないことを姑に口汚く罵られて絶望してしまうのである。

思い詰めたお仙は、髪結い道具を持ったまま、この滝に飛び込んで自殺したと言われる。

それ以来、夜中になるとお仙のすすり泣く声が滝から聞こえてくるらしい、、、

そんな話が下の看板に書いていたが、読み終える頃には更に涼しくなっていた事は言うまでもない。

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ところで付近には野生のユリがたくさん咲いていた。


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しかし、一部の愚かな観光客が野生のユリを勝手に引っこ抜いて持ち帰ってしまうらしく、下のような警告の看板が設置されていた。


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「掘らない、取らない、くじかない」
なるほど、座布団一枚あげたくなりましたよ。

さらにはこんな看板も

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「あなたが来るまではキレイだったと、言われないように」

まったく御もっともな話であります。

自然を汚すのは人間だけですからねえ。