カドミウムイエローという顔料がある。 


鮮やかで美しい黄色であり、ゴッホなどの画家に愛された色でもある。  


最近の絵の具の原料はアゾ色素によるものが多いが、カドミウムイエロー独特の黄色は今尚人気である。 


耐熱性や耐光性にもすぐれるため、色褪せることが少なく、鮮やかな黄色を保ち続けるとされる。  


とはいえ、有毒であるため、最近ではより安全なビスマスバナジウム黄に取って代わられているようである。  


そもそもカドミウムイエローは硫化カドミウムという物質である。  


そしてカドミウムと言えば、イタイイタイ病でも知られるとおり、人体に大変有害な物質である。 


カドミウム自身は青みを帯びた銀白色の金属であり、正極にニッケルを、負極にカドミウムを、電解液に水酸化カリウムを用いて、ニッカド電池となる。  


ニッカド電池は充電可能であり、長寿命なのが特徴。  


私もその昔、ミニ四駆にニッカド電池を用いたことがあった。  


CdSO4水溶液にH2Sを吹き込むと、硫化カドミウム(CdS)の鮮やかな黄色が沈澱することで得られる。  


カドミウムとは人体に有害な物質ではあるが、それでいて有用な素材でもあるのだ。  


カドミウムイエローの鮮やかさの中にカドミウムの個性が凝縮されているように思える。  


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