「ベンジン」と「ベンゼン」については、似たような名前であり、同じ石油製品でもあるが、全く違う種類の物質であることをご存知だろうか?


「ベンジン」は、工業ガソリンの一種であり、日本工業規格で分類されている工業用ガソリン1号を指す。この1号「ベンジン」と2号「ゴム揮発油」、3号「大豆揮発油」が「消防法上のガソリン」に該当し、4号(ミネラルスピリット) および5号(クリーニングソルベント)についてはこれに含まれない。

また「ベンジン」は、主に染み抜きなどの溶剤や機械の洗浄などに使われるが、ハクキンカイロなどの懐炉の燃料として利用されることもある。

染み抜きとしてベンジンを使用する際には、ガソリンの性質上、常温でも蒸気が発生し、蒸気比重が3~4と空気よりも重いため低所に滞留しやすく、風通しが悪い風呂場などで行う場合には中毒に陥らないように換気に留意する必要がある。

この「ベンジン」という呼称は国によっても捉え方が異なるようで、欧州では燃料用ガソリン全般の事を「ベンジン」と呼んでいるらしい。


一方、日本では概ね、分留で得られる半製品をナフサ、内燃機関用に調製された製品をガソリン、溶剤などそれ以外の用途に用いられる製品をベンジンと呼ぶ慣行がある。

次に、「ベンゼン」についてだが、「ベンゼン」は分子式 C6H6 を持つ最も単純な芳香族炭化水素である。見た目は無色透明な液体であり、特有の芳香臭がある。

現在「ベンゼン」は、他の化学物質を製造するための材料として利用されている。


用途の大部分を占めるのが、プラスチック原料としてのスチレンや、樹脂や接着剤の原料としてのフェノール、ナイロン製造に用いるシクロヘキサンなどである。その他、ゴム、潤滑剤、色素、洗剤、医薬品、爆薬、殺虫剤などの製造に用いられている。

危険性はガソリンに準じ、毒性が強く蒸気を吸い込むと中毒を引き起こす。冬季には凍結するが、固まった状態でも引火するため、火気には注意する必要がある。

意外な話としては、ベンゼンは炭素の豊富な素材が不完全燃焼すると産生される。自然界では火山噴火や森林火災でも発生し、タバコの主流煙・副流煙にも含まれる。だからタバコが有害であるという側面もあるわけである。



マンテカのブログ

※お時間ございましたら下記ボタンをひと押しお願い致します。

↓↓↓↓↓↓


にほんブログ村 ライフスタイルブログ おひとりさまへ
にほんブログ村